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「ねぇ、陽斗、どこ行くの?」
元気な声が響くと、目の前に立っていた男の子が一瞬だけ眉をひそめた。
「別に…なんでもない。」
陽斗は少しだけ顔を背ける。その態度に、さくらは少しだけ驚いた。いつものように、彼は少し照れたように振る舞うことが多かったが、今日はなんだかいつもと違う気がする。
「ねぇ、陽斗、何かあった?」
「何もない。」
「本当に?」
「うるさいな。」
陽斗はそう言って、さくらの肩を軽く押して歩き出す。その後ろ姿が、何だか無性に気になって仕方ない。
あれ?なんだか、今日はいつもよりちょっと怒ってる…?
さくらはその瞬間、胸の中で小さな気持ちが芽生えるのを感じた。
…でも、何だかそれが分からなくて、ただひたすらに陽斗を追いかけるしかなかった。