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ー愛多華sideー
部屋の外からでも聞こえる怒鳴り声。また、夜兎姉さんが、咲姉さんに喧嘩を売っているようだ。咲姉さんがあんなに怒るって…夜兎姉さんは一体どんな喧嘩を売ったのだろう?結局2人して怒るのだから、どうかしている。私には結局分からないこと。私には…多分人の心などないから、だからきっと…邪神なんかに選ばれたのだ。
「咲姉!一旦4ね!」
と笑いながら夜兎姉さんが言う、いつもの事だ。なぜ毎回こうやって咲姉さんを怒らせることを言うのだろうか。私には全くもって検討がつかない。
「お前が4ね」
咲姉さんは冷静そうで結局4ねと暴言を吐くのだ。なぜだ?仲がいいわけでもあるまい。やはり分からない。人間では無いから?いや、良く考えればこの人達は人間から邪神になった。それは非人道的な行動をしていたからではないのか?悩んでも悩んでもこの答えは出てこなかった。いつも胸の内から暖かいものが出てくる、風邪でも引いたのか?
「夜兎さんも咲さんも一旦落ち着けって!」
といつもはふざけている愛亜兄さんが言う。どうやらこの人はいつもこの2人を止めているようだ。良く考えれば、この2人が喧嘩しているところはよく見るが。他の人が喧嘩していたり絡んでいるところは見たことがない。これは新鮮だ
「いっつもこいつら話になんねぇな…」
と、夜さんが言うので。あー、この人達はずっと一緒にいたのだと感じた。そう感じるほど、この人達の会話に温もりを感じたのだ。でも良く考えれば、いつもこんな会話があるのだ。私は思わず
「え、これがいつもの事???」
とこぼしてしまった。私は思わず出た言葉に口を抑えてしまった。私もこんな言葉が出るのだと。すると夜さんはこっちを見て
「そうそう、だから愛多華も気軽にしなね」
と言ってくれた。この人の温もりを肌で感じた。感じさせてくれたのだ。この人が、この人達が。きっとこれからも感じさせてくれるだろう。続けて愛亜兄さんが
「このふたりがいつもこんな馬鹿だから私らもバカできるんよ」
と、とても楽しそうに言う。こんな2人を止める大役をしていながらも…
私は思わず笑ってしまった。…笑って…しまった…?私はそぅ、笑ったのだ。1度笑うと笑いが止まらなくなってしまった。みんながこっちを見てる。急に笑いが納まったがニヤケが止まらない。でも自然に出た言葉は
「あっはは、こんなみんなが馬鹿やってると私まで笑けて来る」
と言っていた。不思議だった。この人達といると私がどんどん変わっていく。そんな中咲姉さんが、私を見て目をキラキラさせている
そして次に言った言葉が
「可愛い…」
続けて夜兎姉さんは
「それな…」
と言っているが愛亜兄さんは苦笑いだった。どうやら2人が人を褒めるのは初めてじゃないようだ。多分、可愛いと思ったら本当に何回でも可愛いというのだろう。でも、なんで愛亜兄さんが苦笑い?
すると夜さんは、平然とした顔で
「でもこいつ、思い人がいるからダメだぞー?」
なんて言うから、私の顔が熱くなっていく。なんで夜さんはそんなことを言うのだろう。決して重い人は夜さんでは無いが、どうしてそんなことを言うかも分からない。でも私の胸の中でふつふつ沸き上がるものがった。怒りだと感じたのは咲姉さんの興味津々な「え!だれ!?」という言葉。そして夜さんはまたかよという顔で「出たよ、咲さんの恋バナ発作」と言った。どうやらいつもの事のようだ。私は「あはは」と苦笑いをした。怒りや、笑いの感情を出してくれたのは。とてもいい収穫だった。