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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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今日の一限目はマグル学だ。偶然同じコマを取っていたアシリパと一緒に教室へ向かう。

授業が始まって、先生は少し興味深いことを口にした。

先生「マグルの世界には、黒魔術が絡んで引き起こされた事件がいくつかあります。中には、悪魔や儀式の生贄として、人々が失踪したという例があるのです。私には、このことが今回の例の事件と何らかの関係があるのではないかと思うのですよ…」

他の生徒はその話を、あまり肩入れせずに聞いていた。私も初めはそうだったが、先生の言葉を逡巡させるうちに、その可能性を見出していた。ふと隣に座るアシリパに目を向けると、彼女は少しつまらなそうに教科書をペラペラと捲っていた。

授業が終わり、生徒が解散していく。

イ「ねえアシリパ、」

リパ「なんだ?」

イ「さっきの先生の話、どう思う?」

リパ「どうって…確かに可能性としては否定しきれないが、先生の憶測だろう?」

イ「禁書の棚とかに、そういう黒魔術とかの本ないかなって思ったの」

リパ「…まさか、事件のことを調べる気か?」

イ「アシリパは気にならないの?」

リパ「気にならない!…というのは嘘だけど……。まだ私は禁書の棚には近付けない」

イ「私が行く。何か分かったら後で報告する」

リパ「ああ……でも、無理はするなよ?」



図書館にて。

アニ「本気で何か手がかりが掴めると思ってるの?」

イ「わかんないけど…何か得られるものはあるはずだよ」

禁書の棚に入り、魔術に関する本を漁る。すると人の気配がしたので、その方向を見てみると…

イ「あ、有古くん!?」

有「…っ!イヴァンナ…」

イ「どうしてこんなところに…も、もしかして有古くんも?」

有「…マグル学の授業を取ってるやつから聞いたんだが…それが少し気がかりで、何か分かるかもしれないと思って」

アニ「それで禁書の棚を漁ってたわけ?」

有「あ、ああ」

尾「先客がいたとはな」

有「尾形…!」

イ「百之助……」

尾「こんなに禁書の棚に群がってると、先生に怪しまれんぞ」

アニ「そういうアンタは何しに来たの?」

尾「なにって、分かってるだろ?お前らと同じだ。」

偶然が重なって、生徒4人が禁書の棚に集った。

アニ「ちょっと、これを見て」

アニが手に取った本のとあるページで手を止めた。みんながその本を囲むように覗き込んだ。

有「魔力強化魔術の教え…?」

アニ「ほらここ。用意するものの中に、生贄って書いてある。その脚注には…」

イ「島の北に住む歴史深き民の血……なにこれ」

尾「もしこの事件に魔力強化魔術が関係してるなら、失踪者は生贄ということか?」

有「でも、生贄がそんなに必要か?既に各地で27人行方不明になってる…」

アニ「失踪者の共通点が分かれば、何か見えてくると思わない?」

イ「確かに。でも、誰がいなくなったかなんてわかんないんじゃ…」

皆一同うーんと喉を鳴らした。

菊田「紳士淑女がこぞって禁書の棚で何をお探しかな?」

皆ビクリと肩を跳ねさせた。

菊田「まったく…上級生になって禁書の棚に入れるようになったからって、気軽に近付いていい訳じゃないんだぞ?」

先生は呆れたようにそういった。

菊田「こら、隠すことないだろ?何を見てた?」

こっそりアニが本を背中に隠そうとしたところを制止し、本を渡すよう要求した。アニは渋々それに応じた。本の表題を見た先生は、神妙な面持ちで問うた。

菊田「お前らは、なぜ数ある禁書の中からこれを選んだ?」

みんな俯いて何も答えなかった。1人を除いて。

尾形「先生がそういう風に仰るということは、先生もこの本に用事があったのですか?」

中々敏い男だ、というように先生は答えた。

菊田「はぁ…降参だ。着いてこい」

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