晩香堂から見えるであろう山の中では
探偵社が勝利を収めていた
「…今のうちに….。」
敵の妖怪が少女に近づく
「この結晶を壊せば…!」
敵が少女に触れた瞬間、二米程吹っ飛んだ
「ゲホッ!な、何が起きて…」
『…気安く触らないでくれない。不快だわ。』
「お、お前、その姿!!とっくに封印した筈!」
『ハァ…解除したに決まってんじゃん。じゃ、バイバイ。』
少女が敵に触れた瞬間、敵は跡形もなく消え去った
血痕すら残さず
『…もう、一緒にいられないや。御免ね、皆。”兄さん”。』
少女の姿は先ほどまでとは違うものだった
目は朱に染まり、狐のような耳と尾が生えている
『置手紙…。書かなきゃ。もう、会えないから。』
少女は真っ白な便箋に、丁寧に文字をしたためていた
__探偵社の皆様へ
私はもう、皆様とは共には居られません。
探さないでください。きっと、会えないでしょう。
私は人間ではありません。詳細は横に置いてある帳面を見てください。
そこに、すべてが書いてあります。
さようなら。
__紗雪
『冬華に会いに行こう。きっと、大丈夫。』
探偵社が晩香堂の扉を開けるのと同時に、少女は姿を消した
「紗雪!大丈夫かい!?…紗雪?」
女医の困惑の声が響く
「何だ、これ…皆!一寸来な!」
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