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「探さないでください…?」
「…会えないでしょう?紗雪さん、如何したんですか!?姿も見当たりませんし…」
バサッ
「ん?これは…日記?皆、これ。」
「何だい、これ。可笑しな柄の帳面だねぇ。」
__一頁目
私が組織に入った日、私が月森神社に祀られている神の化身だと判明した。
化身といっても、たいそうなものではない。生まれ変わりでもなく、ただ、力を持っているだけだ。
「神…祀る?化身…如何いう事?紗雪は人間じゃないの?」
「きょ、鏡花ちゃん…」
__二頁目
神の力が暴走した。組織は多くの犠牲を出しながら、私のこの力を封印した。
自我を失う前に聞こえた声から、力を解放した姿が狐の神様に似ているとの事。この力を使うことは二度とないだろう。
「…残りのページが無い…必要なかったのか。」
「如何すんだい、太宰。」
「探すに決まってます。」
「僕たちも協力します!」
_____________その頃の紗雪
「…あら、誰かと思ったら。紗雪じゃない、久しいわね。それにその姿…」
『久しぶり冬華…』
「浮かない顔して、何かあったの?」
『実はさ、もう、皆と居れなくなったんだ。ほら、私、そろそろ消えちゃうし。』
「それで、調整屋の私のところに来たのね。」
『いや、最後のお別れを言いにね。じゃ、もう行くよ。』
「そう、またね。」
__月森神社
『狐狸妖怪を束ねる神よ。わが身を捧げ、永遠の眠りを与えたまえ。』
誰もいないお堂に、少女の声が響く
少女の体は、お堂の万華鏡の中へと吸い込まれて行った
「紗雪、報せはしとくわね。」
冬華と呼ばれた少女はポツリと呟いた