テラーノベル
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普段ならそのまま自宅へ直帰するところだったが、何故か胸騒ぎが治らず、太宰の所へ足を運んでいた。いつものように扉を開ける。
そこには、何一つない玄関が広がっていた。
足早に靴を脱ぎ散らかし、扉の開いた居間の方へ駆けた。
「ちぇっ、くそっ」
思わず悪態が出た。俺は背を向けてまた、玄関の方へ駆け、外に出た。
そこには薄茶色の外套だけが椅子にかけられていて、太宰はいなかったのである。
嫌な予感ばかり的中してしまうのは、俺の悪いところだと、つくづくそう思う。
ひたすらに明るくなった道を駆ける。俺が目指す場所は一つ。
……武装探偵社である。
重苦しそうな扉を足で蹴り開ける。
「珍しく早いじゃないか太宰……は?」
黄色の髪の男、国木田独歩とかいう男がこちらを見やっていた。
他社員も、息を荒げている俺のことを見て目を見張っている。
太宰がそこにいないことを確認して、俺は振り返った。
「待て、ポートマフィアが何の用だ」
探偵風の衣装を着た男、江戸川乱歩と言ったはずの男が俺を引き止める。
……そんな質問に答えている暇はない。
男は少し考えた素振りをしてから、納得したような顔をした。
「もう行っていいよ。僕らも、後で追う」
「言われなくてもそうする」
俺は扉を開けて再び駆け出した。
コメント
1件
感想を読ませていただきました🌷 第5話、一気に緊迫感が増しましたね。主人公の「嫌な予感ばかり的中する」という一文に、彼の経験と焦りが詰まっていて切なくなりました。武装探偵社に駆け込むシーン、乱歩さんの「僕らも後で追う」という返しが頼もしくて、ここからの連携が楽しみです。太宰さんがどこへ消えたのか、気になって仕方ありません…!
アオイ
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