「ど、どうぞ」
許可すると、シオドール殿下は部屋の中に入って来た。
わたしはそっと左手で扉を閉める。
令嬢の部屋に移ってから、夜に白岡くんが来たのは今日が初めて。
「あの、白岡くん、野獣化は……」
「していない」
「ここ最近、ゆっくり話せていなかったから来た」
え、わたしと話す為に自ら来てくれたの?
今日は執務だけじゃなくて、わたしとダンスの手合わせをしたからいつもよりきっと疲れているはずなのに。
「お前、いつも俺が呼ばないと来ないもんな」
「え、それって待っていてくれて……?」
「あぁ、毎日」
シオドール殿下はそう短く答えると、少し照れて腕で顔を隠す。
「う、嬉しいです」***************
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