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ワールドトリガー
風間蒼也 様
夢小説
————-キリトリセン————–
深夜2時の一人ぼっちの部屋。私はいつもこの時間が嫌い。
嫌な事が頭の中をずっとループして、嫌な声が聞こえて来そうになる。
その度に過呼吸になって頭が白くなって、喉が詰まって、苦しくてまるで世界に置いてけぼりされてく感覚になる。
私は風間さんに一言メッセージを送った。
『またかこきなゃうになっちゃった』
誤字ってるって事は後々気づいた。てもその時の私はそれが限界だった。
『わかった。すぐに行く』
メッセージを送ってそんなに経っていない。本当にすぐにそう返事が来た。風間さんは私が辛い時いつもそばにいてくれる。例えどんなに眠くても、辛くても会いに来てくれる。
でも時々”私のせいで風間さんに何かあったら”と考えてしまう。
風間さんは風間隊の隊長。上層部からも他のボーダー隊員からも信頼されている。
そんな風間さんを私のせいで信頼を少しでも落としてしまったら…なんて考えていたら、いつの間にか時間が過ぎていて私の部屋の鍵が開く音がした。
「澪、大丈夫か?」
風間さんはそう言って私を優しくギュッと抱きしめて頭を撫でてくれた。
「よく頑張ったな、偉いぞ。」
風間さんの腕の中と言葉はとっても暖かくて自然と呼吸が整っていくのを感じた。風間さんが側にいるってだけで私を安心させてくれる。
「…風間さん、ごめんなさい…こんな時間に…」
私は安心と同時に罪悪感で泣いてしまった。風間さんは大学にも通いながらボーダーの仕事をしている。疲れだって相当溜まってるのに、なのに私はいつも風間さんに頼ってしまう、疲れさせてしまう。そんなことを考えたら涙と謝罪が止まらなかった。そんな私を察してか
「気にするな、お前が苦しい時そばにあるのは当たり前だ」
そう言ってずっと優しく背中をさすってくれた。
「…ありがとう」
私は涙を拭うために一旦風間さんから離れた。風間さんの顔は穏やかに微笑んでいた。
「泣き止んで偉いな」
そう言って風間さんは頭をポンポン撫でてくれた。本当に優しくて、気が利く。
“風間さんの以上の男性ってこの世に絶対存在しない”って言える程風間さんは思いやりのある人だ。諏訪さんたちと絡んでる時はちょっと怪しいけど…
涙を拭ってしばらく私はボーッと天井を眺めていた。すると風間さんがゆっくりと口を開いた。
「…澪」
優しいけどどこか真面目で少し震えた声をしていて、私の頭には”別れ”という言葉が浮かんで不安で心臓の鼓動が早くなって、少し息苦しくなるのを感じた。
「…なに?その…あの…私…迷惑かけて…ごめ…」
風間さんは私の言葉を遮って、真剣に私の顔を見て、私の手を取って
「お前が苦しい時俺はすぐにそばにいたい。今も出来るだけ早くは会いに来れてるがそれでも俺は長いと感じてしまう。お前が苦しむのを見るのは辛い。一分一秒でも早くお前を安心させたい。」
「…だから、俺と同棲しよう」
「…えっ?」
私は思わず息を飲んだ。まさか同棲したいなんて風間さんが言ってくれるとは思ってなかった。
「ここにいれば、お前は毎日孤独と戦わなきゃいけない。誰にも理解されず、傷つけられるだけだ。そんな環境に、お前を置いておくつもりはない」
「一緒に暮らせば、苦しい時はすぐ抱きしめられる。過呼吸になっても、俺が隣で息を合わせる。夜眠れなかったら、朝まで話してやる」
私はその言葉で嬉し涙が止まらなかった。こんなにも愛してくれる風間さんがいて私は心底”生きててよかった”と思えた。
でもこんな私だからこそ不安でつい聞いてしまった。
「……ほんとに?そんな、同棲なんて…私こんなんだし…私でいいの?」
私は過去の出来事のせいで自己肯定感が低い。風間さんはそんな私を受け止めてくれている。
「お前じゃなきゃダメだ。」
風間さんの言葉には迷いが一切なかった。心の奥が強く揺さぶられた。こんなに真剣に自分と向き合ってくれるのは風間さんが初めてだった。
「俺は、お前の過去も弱さも全部知って、それでも隣にいたいと思ってる。だから…もう一人で苦しむな」
風間さんはもう一度私を強く抱き締めて、今度はそっと唇を重ねてくれた。
しばらく唇を重ねて風間さんが唇を離して耳元で
「これからは俺と一緒に生きろ」
その言葉で私はさらに風間さんに堕ちて依存が強まっていくのを感じた。もう私には風間さんしかいない。そう強く思った。
安心と疲れが一気に来て私はそのまま風間さんの腕の中で眠りについた。
風間さんはその寝顔を見つめながら、小さく呟いた。
「――俺が守る。お前の命も、笑顔も全部」