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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第6話 『貴方にだけ話せる事』
『…主様。僕の過去の話を…聞いてくれますか?』
『…!』
冬の昼空。2人で森を散歩していたらラムリが不意に口を開く。それは、ラムリの過去の話。彼の心の中に秘める闇。
『僕は…母親に愛されずに育ちました。
父親もいない僕は母親に育てられていました。 』
(ラムリの過去…。そう。いつか話してくれると約束したその過去を今日私に…。)
『ある日母親は僕に言いました。働いてお金を稼いでこいと。そして僕はサーカス団に入り見習いとして働き始めました。最初は少ないお給金を稼いで母親に渡していました。少ないお給金だったから満足してもらえることはできなかったけど、僕は母親に愛されるために…必要とされたいから頑張りました。サーカス団の地位も上がって、お給金も上がると母は喜んでいました。頭も撫でてくれました。それが僕にはとても嬉しかったんです。でも……。』
『……。』
ラムリは口を噤む。
『っ…すみません、これ以上は…。』
ラムリは口を抑えて涙を流した。
『…もう、いいんだよ。話してくれてありがとう。』
私はラムリを抱き締める。
今の話を聞いて分かることは……彼は、母親に捨てられたということだ。愛されたかったはずなのに愛されたかった母に捨てられた。これ以上の苦しみが…あるだろうか。それが彼の絶望かなんてそれは分からないけど…それでも…
辛くて、苦しいことには変わらない。私のものさしで測ってはいけないかもしれない。だけど、少しでも理解するのが主の役目。
私はラムリを撫でる。
『主様……っ。』
『いいんだよ、ラムリ。沢山甘えて。今は2人しかいないから。』
彼が甘えん坊だったり、ほんの少しワガママなのは彼の幼少期が関係してるのかもしれない。
彼だからこそ、甘えたりワガママになったりするんだと今改めて実感する。
ラムリの涙が収まるまで、私は抱き締め続けた。
屋敷にて。
『すみません、主様の前で泣くなんて僕…』
『いいんだよ、ラムリ。ほら、今日はもう遅いからもう寝よっか。』
『はい…。』
『……。』
(まだ少しだけ表情が曇ってるな…。)
『ラムリ。今夜の安眠サポート、頼んでもいい?』
『えっ…。いいんですか?』
『うん。今夜はもう少し一緒にいよう。』
『主様…っ!』
『ありがとうございます!!大好きです!』
ラムリは私に抱きついた。
『わわっ!お、落ち着いて…。』
『す、すみません、嬉しくてつい…』
私はラムリの手を引いて自分の部屋へと向かった。
『すぅ、すぅ…。』
『ふふ、可愛い寝顔だなぁ…。』
サラッ…と主様の前髪を撫でる。
『いつか…必ず全て話しますね。
僕の、主様に伝えたいこと。僕の…絶望した理由を。』
……バタンッ。
次回
第7話 『負けないくらい強い想い』
うみ
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