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うみ
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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第7話 『負けないくらい強い想い』
ラムリを担当執事にして1週間。今日は最終日。ラムリと私は見張り台で外を眺めていた。
『今日で終わりですね…主様と過ごせるのも。』
『そうだね…。あっという間だったね。』
『明日には他の執事と……。』
ラムリはしゅんっと寂しそうな顔をする。
『ラムリ、そんな顔しないで。』
私はラムリの頭を撫でる。
『だからこそ今日は沢山一緒にいようね。』
『主様…。はい!』
ラムリはニコニコと微笑む。
一方その頃――。
2階執事部屋 バルコニー
『ラムリと主様2人きりで何してんすかね…。しかも見張り台でって…。』
『はぁ、アモンはいつもあんな感じだな。他の執事と主様のデートが気になって仕方ないみたいだな。』
『でも担当執事にしてる間は、我慢しなきゃいけないんだって。』
『自分たちで決めたルールなのにあいつは毎日懲りねぇな。』
『聞こえてるっすよ!仕方ないじゃないっすか……好きな人が、他の執事と何してるか気になるのは……。』
俺は顔を赤く染める。
『アモン…。』
『はっ。いつも主様を赤面させてばかりのお前がそんな顔をするなんて珍しいな。』
『俺だって本気なんすから…主様のこと。』
書庫
『……流石に話し声までは聞こえませんか。
もう少し近くに行けば分かりますかね。…いや、ダメですね。我慢しなければ。』
『ラト君、ここに居たんだね。』
『ミヤジ先生。すみません、本を読んでいまして。』
『そうだったんだね。確か今日は主様とラムリ君が一緒に過ごしてるみたいだね。』
『はい。でも、担当執事にしている間は他の執事は割って入るのはダメなんです。主様に真剣に選んでもらう為に。』
『なるほど…。』
私はラト君を見つめる。
『フフ、こんなに誰かを好きになって…嫉妬するなんて以前の私なら考えられませんでしたね。だからこそ、渡したくないと思うんでしょう。』
私は本を読みながら微笑んだ。
別邸1階 和室
『…ユーハンさぁ、気になるなら本邸行けば?』
『……別に、気になってなどいませんが。』
『よく言うよ。明らかに挙動不審じゃねぇか。』
ユーハンはソワソワしている。
『ほっといてください。』
『ハナマルさん、ユーハンさんをからかわないでください。』
『いや〜だってからかいたくもなるだろ。
同室のやつが恋に悩んでんだから。』
『悪趣味ですね。全く。』
『よく律儀に守るよな。他の執事といる時は割り込まないって。俺だったら絶対無理だね。』
『貴方と一緒にしないで下さい。私は……主様には真剣に選んで頂きたいんです。私は本気ですから。』
夜。私とラムリは団欒室で遊ぶ事に。
『また負けちゃった、ラムリ強いね。』
『えへへ、次はこれしましょう!』
『オセロね、いいよ。』
『黒と白、どっちにしますか?』
『うーん、じゃあ白で。』
『僕は黒ですね、では始めましょうか。』
コト、コト…。
『……。』
(真剣な主様の顔…可愛いな。)
『…ラムリ?』
『!す、すみません、僕の番ですよね。主様の真剣な顔が可愛くてその…』
『ラムリ……。ふふ、ありがとう。』
私はニコッと微笑む。
あぁ…やっぱり渡したくない。好きだ。主様のことが本当に。
胸が熱くなってくのを感じる。これが…僕の初恋なんだと…教えてくれる胸の鼓動。
『主様。』
『ん?』
『大好きです!』
『っ……。あ、ありがとう…。』
主様は照れながらそっぽを向いた。
今はこれだけで充分だ。
次回
第8話 『誓いのキスをはここに』