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めいふぁ
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🩷
撮影前の待ち時間、セット設営のためにバタバタと動き回るスタッフさんたちの邪魔にならないよう、2人きりの楽屋に用意されたふかふかのソファー。そこにどかんと腰掛けたかわいいかわいい恋人が、かわいいかわいい顔をして見上げてくる。
かわいい顔からちらっと目線を下せば、きっちり上まで留められたボタンと仕立ての良いブラウンスーツ。それだけなら「さすがおれの仁人!なに着てても超似合う!」ってキスのひとつやふたつで送り出せたのに、そうさせてくれない原因は垂らされたイエローのネクタイとペイズリーの布。仁人によく似合うかっちりとした雰囲気にちょっとハズした組み合わせでとてつもなく似合ってるけど、恋人としてはあまりの色気に人前に出したくなくなるのも当然だと思う。
「仁人さあ、それはダメでしょ!!」
「え、なに」
?マークが頭の上に浮かんでるみたいにぽかんとした顔の仁人。
ああもうおれがそのきゅるきゅるした目に弱いの知ってるくせに!
「っ、うわ、勇斗!」
綺麗にセンター分けされた髪を崩さないように、腕を引いてしっかりと胸の中に閉じ込めた。
「こんな可愛くて綺麗な仁人、他の人に見せたくないんだけど」
「なに言ってんだよバカじゃねえの!?」
胸元でばたばた暴れられると、素肌に当たってくすぐったい。その感覚すら愛おしくて、離せ離せと暴れる恋人を抱き込んだままソファーにばたんと倒れ込んだ。
「離せバカ!」
おお、この体勢になっても威勢が良いのはさすがとしか言いようがない。でも残念、耳が真っ赤なのが丸見えで、可愛くて愛おしくて仕方がない。胸板に当たる仁人のほっぺたも熱を持っているのがわかる。
「んー真っ赤でかわいいねえ仁ちゃん♡」
食べごろのりんごみたいな色になった仁人への愛おしい気持ちが抑えきれなくて、おでこにちゅっとキスをしてやる。……お、余計赤くなった。
文句を言いたいのに言葉が出ない、みたいに口をぱくぱくさせるのも可愛くて、頭を引き寄せて今度は唇にキスをひとつ。
「なっ、おまえ、ここ仕事場!」
「わーかってるって、帰ったら続き、ね?」
おれが仁人の顔を好きなのと同じくらい、仁人もおれの顔が好き。
パチン、と至近距離でウインクを決めてやれば、顔どころか首筋まで真っ赤にして大きな瞳を瞬かせる仁人が可愛くて仕方ない。早く家に連れて帰らなきゃ、と心の中で今日の撮影は巻きで終わらせることを決意した。
─────────
💛
……真横から視線を感じる。
今日はユニット曲の撮影だから2人だけのスケジュール。
有難いことに最近多忙な俺らは2人きりの時間なんて長らく取れていなくて……嬉しい気持ちはあれど、今は仕事中!と緩みそうになる気持ちを引き締めてきた、はずなのに。
(ああもうほんと、なんでこいつこんなかっこいいんだよ!)
ふざけんな、なんて行き場のない感情。カッコ良すぎてイライラすることってあるんだ、と新しい感情がまたひとつ。
用意してもらった楽屋のふかふかしたソファー。他にも椅子はあるっていうのに、わざわざ隣に座ってきた勇斗。嬉しいような、直視できないから離れて欲しいような。
深いグリーンのスーツ、ビビットピンクの襟。なんでその色が似合うんだよ、と言いたくなるような組み合わせに絶妙なバランスで開かれた胸元と、色気を増長させるような黒のレース。
出会ってからも付き合ってからも長いから、オフの勇斗もオンの勇斗も見尽くしたと思ってたのに。
(まだこんな引き出しあるのかよ…)
計算されたかのように整った顔に掛かる横髪だって、芸術品と見間違うくらいに美しい。
(こんな勇斗、見られたくないな)
恋人として、自分にしか見せない顔があるのも知っている。だけど、開いた胸元もなにもかも、自分だけが見ていたいと思ってしまう。
普段だったらそんなことしないのに、ついうっかり久しぶりの勇斗に見惚れていたもんで。勇斗がなにか言ったなあ、と思った次の瞬間には、腕を引かれて胸の中へ引き寄せられた。
体を重ねたことだって何回もあるから、勇斗の肌の暖かさだって、素肌の匂いだって知り尽くしている。だけどここは勇斗のベッドじゃなくて、いつ誰が入ってくるかわからない楽屋で。
そのアンバランスさに頭がくらくらして仕方なくて、とりあえず生々しい温度から離れたくて腕を振り回してみる。けど当然勇斗の馬鹿力には勝てなくて。むしろ強く抱き込まれてソファーに倒れられてしまった。その力の差にすらドキドキしてしまう自分はもう末期なのかもしれない。
自分の耳も頬も熱を持っているのがわかる。当然、大きく開いた胸元に密着しているわけだから勇斗にもバレバレだろう。
くす、と耳元で笑われておでこにキスをされて。ちら、と目線を上げてしまったのがいけなかった。
可愛くて可愛くて仕方ない、って書いてあるような瞳で、柔らかい表情で見つめられるものだから…文句を言ってやりたかったのに見惚れて言葉が出なくなってしまって、次は唇に。
「なっ、おまえ、ここ仕事場!」
「わーかってるって、帰ったら続き、ね?」
やっと絞り出した抗議も勇斗にはノーダメージらしい。
パチン、と華麗にウインクを決められてしまって、至近距離で喰らってしまったからなにも言えなくて。どうしようもなくて勇斗の胸にへなへなと頭を乗せなおすと、自分と同じくらい速い鼓動が聞こえるのがなんだか嬉しくて仕方がなかった。
コメント
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# 第1話 感想 おおお、これはめっちゃ甘いやつ〜! 交互視点で2人の気持ちが重なる感じ、すごく好き。 仁人が真っ赤になりながらも抗議するところとか、勇斗のウインクにノックアウトされちゃうとことか、お互いに「この人のこと誰にも見せたくない」って思ってるの尊すぎる…。 楽屋という仕事場のギリギリ感もドキドキするし、最後に仁人が勇斗の鼓動を感じて嬉しくなる流れ、めちゃくちゃ良かったです!続きが気になる〜!😊