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青い監獄がはじまるまでのお話。
「よぉ、潔世一。久しぶりだな。」
久しぶりに見た、弟分は、相変わらずほわほわしている。
口は悪いし、見た目詐欺だがな。
「あ゛?お兄じゃん。どしたん?」
「ちょっと、付き合え。」
相変わらず、何を考えているかわからない瞳。
変わってないのは俺にとってはいいことだが、こいつにとったら悪いことか。
喫茶店に入ってコーヒーを2つ頼む。
俺は、青い監獄プロジェクトの概要を目の前の男に見せた。
「世界一のストライカーを創る実験場ねぇ。」
興味なさそうに見えるが、こいつの場合は逆だ。これは、興味を引いた。
「そうだ。おまえの探究心を満たせるかもしれんぞ。」
「ふーん。300人の18歳以下のこーこーせーね。」
「いいじゃん。全部、俺のモルモットにしていいの?」
釣れた。こいつをこちらに引き込めるならなんでもいい。
「構わん。その代わり、データを俺によこせ。」
「お兄は、俺のデータを使う。俺は、モルモットで探究する。」
「お互いに損はないと思うんだが?」
「いいよー。」
「サッカーはよく知らないけど、スポーツのことは一通り見てきてるからなんとかなるんじゃないかな。」
なんとかなるって、こいつはいつもこうだ。
こいつのなんとかなるをほかの奴と比べたら天と地との差がある。口にはしないが。
「おまえのなんとかなるは、大抵は完璧だ。」
「えーでも、未完成だよ。まだ足りない。」
口を尖らせて不貞腐れた顔をする。
童顔でその顔はヤメロ。
「それでいいんだよ。」
「そう?まぁいいや。お兄は俺のデータを活用してくれるんでしょ。」
「おまえを活かせるのは俺くらいだろ?」
ニヤリ。潔の顔が優悦に歪む。
「まーねー。」
「で、いつから?」
「できれば、今から。前もっての準備は必要だからな。」
「ほーん。おけ。」
「今、ちょうど刺激がなくて困ってたんだよね。」
「院のほうには、連絡したからなんとかなるし。」
恐るべき行動力だな。
「なら、ついてこい。」
「という経緯でこいつを引き入れた。」
何言ってんだこいつみたいな顔したアンリちゃん。
「おい。失礼だな。」
「はぁー。大体はわかりました。」
「いきなり、知らない人が参加するってなったら驚くでしょ。」
「先に説明してください。」
「はいはーい。」
「んでこれが、こいつが作成したデータ一式。」
タブレットをアンリちゃんに渡す。
「は?これは…。」
「え!?300人の選出した高校生全員のデータじゃないですか。」
「あぁ。そうだが?」
「いや。昨日ですよ。300人選出したのは。」
「そうだな。」
「まだ、それ完成じゃないんだよね。」
「ぱっと見てわかった分だけ。」
「でも、ほんとにこの300人で大丈夫なの?」
「どういうことだ?」
「あっ。お兄にまだ話してなかったっけ?」
「すでに、データとして使えないのが何体かいるんだけど?」
「どいつらだ。」
「これとこれと…。」
これはこれは。面白い。
こんな奴らが使えない烙印を押されたのか。
「はー。こんなにすごいデータを潔くんひとりでってすごいね。」
「そう?」
「300なんて数わくわくするじゃん。」
「でもさっき挙げたのは、ダメだね。」
「お兄の言葉を借りるなら、ふぁっくおふ。」
「ふーん。でもこれが覆ったら面白いな。」
挑発して言ってやる。
「そうなったら、俺が一生飼殺してやる。」
おー。わっるい顔だこと。
アンリちゃんもドン引きだわ。
「まぁ、299人を踏み台にするんだ。どう転ぶかわからん。このままいく。」
「んー。」
こいつ興味なくしたな。
招集当日のお話。
舞台上で演説をするお兄。
「はー。お兄ぃ。ぶっとんでて最高。」
隣でドン引きするアンリさん。
「そんな顔しないでよ。」
「いや。まぁ。潔くんが変わってるのは知ってるけど。」
「ひどいなぁ。」
ふふ。まぁ、変人なのは認める。
よく言われてるし。
「でもさ、こんなぶっ飛んでる話をまじめに聞く高校生もすごいね。」
言い返してる奴いるっぽいけど、そもそも論点ずれてる。つまらん。
それにあれは、ダメだな。使えない。
「みんな参加するかな。」
「どうかしら。」
「これが、始まったらもう後戻りはできない。覚悟はいい?」
ニヤリ。
「もちろん。」
ドアが開いて、高校生が一斉に走り出した。
「はい。300人全員参加と。」
「ふふ。楽しみだなぁ。俺の探究心を満たせてくれよ。」
ウズウズしてたまらない。
閑話休題…。
捕まったお話。
ここは…どこだ?
俺は確か、自分の研究室で仮眠をとっていたはず。
それに体が動かない?
前と後ろに何かが巻き付いてる。
「よっちゃん。つかまえたよ。」
前から声。冴?
「もう、離れないでね。」
後ろから声。凛?
「「離れたら、俺らどうなるかわかんないから。」」
どうなってる?
「えっと…?」
「だって、よっちゃんが悪いんだよ。俺から俺たちから消えるなんて。」
「すっごく、好きで大好きで愛してるのにいなくなるなんて、許せないよね。」
冴?何を言ってるんだ?
「うん?」
「よっちゃんもおれたちと同じ気持ちだよね。」
凛まで?
好きとか愛とか、俺にはわからない。
今まで家族愛は与えられたことはあっても、俺自身の愛とやらは与えることをしたことがない。
そもそも好きだの愛だの存在の不確かなものを俺が信じることができない。
「愛はわからないけど、なに?俺から愛されたいの?」
「うん?」
「よっちゃん、ツンデレさんなの?」
「俺たちが小さい頃によっちゃんにしちゃったことの仕返し?」
「ダメだよ。よっちゃんは、俺たちだけを見て、聞いて、話すの。ほかはいらないよね。」
「俺からの愛情をいっぱい受けとってくれるよね。」
「俺はたくさん構ってね。じゃないと泣いちゃうから。」
「えー。嫌だ。」
瞬間。空気が凍る。
「よっちゃん。今なんて言ったの?」
にっこりと。首を絞められた。
「ぅあ…ぅぐ。は…なせ。」
「ダメだよ。ぜーったいに離さない。」
「よっちゃん悪い子だね。」
「俺たちを否定するなんて、許さない。」
「ぁはっ。よっちゃん、イイ顔してる。」
「ねぇ、もっとよっちゃんのいろんな顔見たい。」
「よっちゃんで遊ぼう。」
「そうしよう。」
「いいよね。よっちゃん。」
「一緒に遊んだら、もっと楽しいよ。」
(こいつら…イカレてる。)
(いや。イカレてるのは俺の方か。)
両手をあげて、2人の頭をなでりなでり。
あっ。だめだ。意識がもたない。
「い…い……こ。…いこ。」
ぱた。
〇設定のお話
糸師3兄弟
・長男:糸師世一(のちに潔家の養子になる。)→潔世一:25歳
大学院生:医学系研究科(主にスポーツ医学、パフォーマンス分析):海外での留学経験あり
3兄弟で唯一、サッカーしていない。
頭がいい。普段は1人暮らし。
両親とは仲がいい。義両親とも仲がいい。
ちょいちょい実家に帰り、母と義母とお茶している。
サッカーしていないのもあって、下2人とは距離を置かれている。
潔家と糸師家は、親同士が仲良し。
子どもに恵まれなかったことや、よっちゃん本人の希望もあって養子に。
弟2人のこともあり、いない方がいいだろうという達観した考え方。
絵心さんとは、お友達。お兄さんって感じ。
絵心さんの眼のことを見抜いた。(失明するけどいいの?つーか、楽しくないことよくできるね。)
海外留学で、絵心さんがサッカー選手していたころを知っている。
ノアとも知り合い。絵心さんを通じて知り合いに。
サッカーは、興味ないけど、分析力に長けている。
考えもつかない理論を持ってくるので、絵心さんもノアも気に入る。
パフォーマンス分析もできるので、各選手の動きをデータ化、評価して改善するための方法を持ってくる。
けど、そいつが努力しようが興味なし。基本的に自分の探究のために動く。
青い監獄に絵心さんのサポートで収監。
アンリちゃんには、時々ドン引きされている。基本的に仲いい。お茶会する。
モルモットが使えない。と判断した時点で、切り捨てる。興味失せる。
医学にも精通しているため、ケガに繋がりそうなら、怒る。改善しないなら、勝手にしろ。
ケガしない方法を教えてケガしたら、興味なくなる。ふぁっくおふだろ。
改善に対して耳を傾けるやつ、新しいデータをくれるやつには、尽くすし、名前も覚える。
興味の失せる瞬間の眼がこわい。
常に、よっちゃんの探究心を満たしてあげないと、好感度は急降下する。切り替えは一瞬で起こる。
「母さん、いよさん、ただいま。お土産あるからお茶しよー。」
「父さんたち。2人とも疲れてるんじゃない?こうすると疲れとれるから、やってみて。」
両親には激あま。義両親にもあまあま。大事な家族です。
周りよりずば抜けて、賢く、自分のために探究するよっちゃんをドン引きするんじゃなくて可愛がっていたから。
弟2人に関しては、サッカーしていないという理由で離れていったこともあって、家族だが、他人。
最初は、よっちゃんが弟2人をすごく可愛がっていた。
さえちゃんは小さいころ、お兄ちゃんに構って欲しかった。
自分から構ってとはいえず、どう接したらいいかわからなくて、ツン対応してたら、構われなくなった。という経緯あり。
りんちゃんは小さいころ、お兄ちゃんが怖かった。
さえちゃんとも仲が悪いと思っていたし、怖がって避けてたら、構われなくなった。という経緯あり。
2人はサッカーをお兄ちゃんとしたかったけど、言えなかった。
あぁ、構われたくないんだなと察されてしまった。サッカーしてないからとも言われてしまったこともあり、2人に対して興味が失せた。
兄弟仲は良くも悪くもない。上記もあってむしろ興味なし。
青い監獄内でのよっちゃん
「自分の探究のためにこいつら使うだけだ。」
「どうしたらいいか?知らん。俺はおまえらに興味ない。」
「俺は自分の分析に間違いがあると思わない。」
「おまえらのためにしてるんじゃない。俺自身の探究心を満たすためだ。」
「モルモットがこんなにいるんだ、楽しくてしかたねぇ。」
「こんな代り映えのしないデータになんの意味がある?だめだな。これはもういらない。」そう言われたやつは、大体脱落する。
・次男:糸師冴:18歳
スペイン在住。レ・アール所属のMFさま。
小さい頃、よっちゃんから可愛がられていた。
4~5歳頃、よっちゃんに構って欲しかったけど、言えなくて、ツン対応し、さらにサッカーしてないからと拒絶してしまった。
興味の失せた瞬間を間近に見てしまい、恐怖してしまった。
よっちゃんが好きなのに、突き放してしまった。
その後、よっちゃんが潔家の養子になって、さらにショック。
すごく、悲しくなってサッカーにのめり込む。
絵心さんやノアには、嫉妬している。
よくよっちゃんの話をするし、知らないことを知ってるから。
兄弟のことを聞かれるのを嫌う傾向にある。後悔しかないから。
ナイトスノウは、起こっていない。
りんちゃんがサッカー始めた時にMFの楽しさを知ったから、元々MF志望だった。
FWとしての能力もピカイチ。
よっちゃんのことは後悔しているし、ずっと好きな人。
りんちゃんから、よっちゃんが青い監獄にいることを知る。なんで?
全ては、絵心甚八のせいです。
・三男:糸師凛:16歳
よっちゃんとさえちゃんの仲が悪いと思っている。
サッカーは2~3歳頃、さえちゃんの試合に乱入してゴール決めて、さえちゃんに一緒にやろうと言われてはじめた。
さえちゃんが、構ってくれたから寂しくなかったし、懐いた。
よっちゃんは、こわいし、サッカーしないから一緒にできないと思っていた。
さえちゃんのもらい事故受けた。
実は小さいころ、よっちゃんがすごく可愛がってた。
でも、本人に怖がられてるし、避けられてるしで、よっちゃんは興味失せた。
その後、潔家の養子になって、ショック受けた。なんで?
青い監獄に収監されて再会するも、どう接したらいいかわからない。
よっちゃんはよっちゃんで、弟だけどそこにいるだけの人(モルモット)としか認知していない。
興味の失せた瞬間をさえちゃんと見たから、よっちゃんの眼が怖い。
自分が、サッカー頑張ったら自分を見てくれるかもしれないと、察する。(あながち間違ってはいない。)
FLOWにも入っちゃうし、覚醒も普通にしちゃう。
もしかしたら、さえちゃんより先に、よっちゃんの眼に映してもらえるかも?
クソメガネ嫌い。よっちゃんと一緒にいるから。
最終的にサンドになる予定。
さえちゃんは、よっちゃんが手元に戻ってきたら、絶対に離さない。
小さい頃からの想いが歪に育って、たくさんの重い愛情を注ぐ。
りんちゃんは、よっちゃんが戻ってきたら、繋ぐ。離さない。
いっぱい構ってもらう。離れるようなら泣く。※嘘泣き。