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「じんとー」
家の鍵が開いていたので、いるのであろう人物の名前を呼んでみるが返事はない。リビングにはいないし、寝ているのだろうかと寝室をのぞいてみるがここにもいない
「どこいったんあいつ」
「あれ、はやとおかえり」
探していた人物の声がして、振り返ってみれば俺の部屋着を着てバスタオルを肩にかけて立っていた
「なんで風呂」
「外寒かったから、あったまろうと思って。だめだった?」
「だめじゃねぇけど。まさか風呂とは思わんやん」
「あーごめん。 思ってたより帰ってくんのはやくて、 ご飯できてるよ」
探すのに夢中になっていて気づかなかったが、言われてみれば出汁のいい匂いがする
「今日は、しょうが鍋です」
「しょうが?」
「そう、みぞれがメインの」
「作ったの」
「いえす。時間あったから」
「腹減ったな」
「じゃあ俺髪乾かしてくるから、お鍋あっためてて」
「りょーかい」
ちょうどセッティングし終わったタイミングでかえってきたと思ったらヘアミルクするの忘れたかなんだか行ってまた戻って行った。その間にご飯よそっていると今度はちゃんと全てを済ませてお行儀よくテーブルに向かって座った。俺もその隣に座らせてもらって二人で手を合わせて挨拶をする
「よし、いただきます」
「いただきまーす」
「どうぞー」
「なにこれうまぁ!」
「絶対この味付けはやと好きだとおもった」
「うん、めっちゃ好きだわこれ。この肉団子やばい」
「肉団子て、みぞれね。刻んだ生姜入れてるからあっさりしてるでしょ」
そこからは今日は太智が朝からうるさかったこととか、舜太とイルミネーション行ったこととか、そういえば夜中に柔太朗がのりこんで来ただとか、少しテンションが高かった理由はこれかと納得した。自分の誕生日にたいして興味のないこいつがこんなにも楽しそうなのは、きっと単に祝われたからじゃない。片付けを終えてソファでくつろぐ仁人のそばに床へ腰をおろす
「北海道でも行くか」
「あなた行ってたじゃない」
「仁人と行くから意味があんだよ」
「なんだそれ」
「そんときは、ちゃんとした指輪渡すから」
「え、」
後ろで勢いよく起き上がった気配がした。振り向いてみれば、大きな目をさらに大きくひらいて今にもこぼれ落ちそうになっている
「なに、それ」
「なにって、そのまんま」
「いや、だって、なにわかんないよ、おれ」
「わかんねえことねえだろ」
目に溜まった涙がこぼれ落ちそうで、俯いてしまうまえに自分の胸元へ仁人の頭を引き寄せた
「俺らさ、もうアラサーなのよ」
「アラサーいうな」
「そうじゃなくて、そろそろ身固めてもいいのかなって。お前のさ、仁人の、未来の幸せを俺は邪魔したくないの」
「じゃまなんてそんなこと」
「まぁ聞けって。そんでさ、思ったわけ。仁人が25っていう節目を超えたとき、そんときまだ、俺と居たいって思ってくれんなら。俺が覚悟決めなきゃなーって。」
それまで、静かに聞いていて仁人がゆっくりと顔をあげる。目にはまだ涙が溜まっていて、それでもその目は真っ直ぐに俺を見つめている。
ほんと、綺麗な目してんな
「なぁ仁人。これからも、俺の隣にいてくれませんか」
「しゃーねえな。いやだって言っても離れてやんないから」
「望むところだ」
いつもみたいに目尻をさげて、目を細め、頬にはえくぼがうかぶ、俺の1番好きな顔。愛おしいと思う。どんだけ辛くて、苦しくても、仁人のためなら、M!LKのためならいくらだって頑張れる。仁人が突っ走りすぎる俺を見ていてくれるから、M!LKを守っていてくれるから、俺はどこまでだって走れる。俺のブレーキでエンジンだから。それが、仁人を縛ってしまうことになっても、いつまでも俺のそばにいて欲しいと思った。愛してるよ、俺の世界で1番大切な人。
「いつもならぜってー言わねえけど、愛してるよ」
「それ俺のセリフじゃね」
大 遅刻のハッピーバースデー
おめでとう!我らがリーダー!
あなたを彩る全てのものが、その笑顔を守りますように