『っフィア!大丈夫か?掠っただろ…⁈』
安全と判断したウルは、慌てた様子でフィルアに駆け寄る。
「このくらいどうってことないわい…まぁ…止血はした方が…ええかもしれんが…」
「出血し過ぎです‼︎…包帯なら持ってるので巻きますね。」
「…すまんのぉ…」
コルリルが応急処置用の包帯を持っていたため、フィアの翼に巻き始める。
『すまない、俺がすぐあそこから引き返せば…』
「いいんじゃよ。あんな状況、誰だって戸惑うわい。」
自分を責める狼を優しく諭す。
その状況を見て、なぜか目を逸らすコルリル。
「…出来ましたよ。あくまで応急処置ですから、もう動かさないようにして下さいね。」
「助かったわい…ありがとう。元の世界に戻ったら、普通のハニーとお礼するな。」
「ふふ笑、楽しみにしてますよ。」
『…さて、ここからどうすべきか…』
今わかっているのは、異変を探して8番出口に向かえばいいことだけ。
『っ情報が足りんのと不確定事実が多すぎる』
思考を巡らせていた狼は思わず頭に手を当てた。
「とりあえず今は、引き返してみんか?さっきのが異変なら、出口の看板に何か変化があるかもしれんぞ。」
「そうですね…今は指示に従うしかないですし…ウルさんも行きましょ。」
『あ、あぁ…分かった。フィア、歩けるか?』
「帝国主義舐めとるなウルw…このぐらい朝飯前じゃ!」
先程よりも響く足音に安心する。
3国は出口表示があった通路まで引き返した。
『1番…出口?』
「数が…変わってますね…」
「やはり異変を見つけたら引き返すであってそうじゃなぁ…」
その時、出口表示看板よりも前…
曲がり角から音がする。
「あそこは…さっき通ったところですよね、ウルさんが。」
『あぁ、0番出口からの通路だ。』
「…油断できんの…」
バタバタと聞こえる足音に混じって、
だんだんと聞こえる叫び声。
「うわぁぁぁぁぁ!!なにあれ⁈なにあれ‼︎」
「落ち着け!今は走るしかないだろう!」
高い小さな子のような声と、
ハスキーな落ち着いた声。
「全く…!1番出口の異変がこれか…!」
スライディングするように角から飛び出してきたのは、
クラゲとコウモリだった。
コメント
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ハルさんとクラル君なのだぁぁぁぁ!!!!!!!
ハルくんとクラルくんだああああああああああああああああああ!!!!うわぁっ😇