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「計画をお話しましょう。でも逮捕できるかは別です」
「ふん。警察を舐めるなよ?」
「俺も警察ですよ?」
「犯罪者だがな」
「はは。俺達は日本を守りました。佐藤明久琉。彼は立派だ。だが秩序は壊さない。俺達がな。日本全国旅と名乗り総理の不祥事を調べ始めた」
「その不祥事とは?」
「殺人です」
「ほう」
「彼の父親が持っていた「内閣総理大臣浅倉茂道」とかかれたノート。そこに内容はありますよ」
「それはどこにあるんだね?」
「俺の地下室です。そこには破れた紀行文もあります」
「ここでは教えてくれないと?」
「あ〜どうしましょうか…じゃあ取引に応じてくれればいいですよ」
「取引?どんなものだ?」
「YESかNOどちらですか?」
「それを言わないと内容は教えてくれないと?」
「ああそうです」
「ふ〜わかったではお前を留置所へ移送する」
「わかりましたよ」
「はあはあはあ」ノートや紙を抱え、茂みの中を走ってゆく。木で日差しが防がれているものの40℃近くになった温度には勝てない。走るたび、息は上がり、汗が次々と出てくる。
「うわっ!」
木の根に足がとられ前へ転んでしまった。幸い頭はうたなかったが足が傷ついてしまった。
「いたた…」
これでは先程のように走れる状況ではなかった。
「あれ?紙が…」
どうやら先程転んだ衝撃でいくつかあった紙がどこかへ散らばってしまった。今はその紙を探す気力がない。“あの人”から「絶対守れ」って言われてたのに…。落ち込んでゆく心を癒やしてくれるものや人はこんなところではない。
「ごめんなさい。優君…」
目から涙が溢れてくる。絶望感が襲ってくる。そんな時に彼が居れば…そんな妄想をしてもしょうがない………。
「秋庭!」
彼女の背後から自分の名が聞こえた。一気に不安という気持ちがなくなり、背後を向く。すると、「秋庭陽香(はるか)殺人罪における幇助の罪で逮捕する」
先程までの安堵の気持ちは無くなった。そして、先程と違った不安の気持ちが募る。そして、秋庭は何も反抗はせず、手錠をかけられ、パトカーに乗った。
「このノートはなんだ?秋庭」
「…」
「黙秘をするきか?」
「……」
「無駄無駄。波島は計画を話し始めた」
「……」
「ふう〜証拠が見つかればお前だって捕まんだぞ?そうなりゃ今までやってきたことは全部パー。しょうもないことに力入れたって無駄なんだよ」
「……」
「吐いたほうが身は楽だよ?」
「⋯…」
「ったく。吐かねーのかヨ?」
「まだ生きてる…」
「んあ?」
「さ〜て波島。ノートは見つかったが?」
「紙切れは?あったらしいですが少ししかないと…」
「ふふ。嘘の情報が出回ってるらしいな」
「嘘?それはないでしょう?」
「お前らの味方は全員捕まえた」
「ん…?誰ですか?」
「秋庭に安楽。そして…署長である田原さん」
「…」
「残念だったな波島」
「そちらが残念でしたね」
「は?」
「まだいるさ。仲間は」
「なん…だと?」
「少し体調が悪い。留置所へ移してもらえませんか?」
「ああ。わかった。榊原(さかきばら)こいつを移せ」