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#K-T
#CREATIVE BASE
#人狼
K-Takasaka
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#K-Takasaka
第7話 二人のメバル
メバルの背後に、もう一人のメバルが立っていた。
同じ髪型。
同じ服装。
同じ麻酔銃。
そして、同じように驚いた顔。
「えっ、私が二人?」
本物のメバルが声を上げる。
背後のメバルも、まったく同じ声で叫んだ。
「えっ、私が二人?」
「真似しないで!」
「そっちこそ真似しないで!」
二人のメバルが同時に怒鳴る。
カキが頭を抱えた。
「もう分からない! どっちもメバルにしか見えない!」
「当然だ。姿をコピーしている」
アオノが端末を確認する。
「シェイプシフターは、コピーした相手の声や表情まで再現できるようだ」
「それって、ほとんど見分けられないってこと?」
リリカが後ずさる。
「ただし、完全ではない」
ルイが二人のメバルを観察していた。
「どこかに違いがあるはずだ」
「なら、質問すればいい」
マサカゲが二人の前に立つ。
「メバルしか知らないことを答えろ」
「はい!」
二人が同時に返事をする。
「K-Tのことを、普段どう呼ぶ?」
「Kさん」
「Kさん」
「好きな武器は?」
「麻酔銃」
「麻酔銃」
「怖いものは?」
「暗い場所」
「暗い場所」
マサカゲの眉間にしわが寄る。
「どちらも同じ答えだ」
「シェイプシフターが記憶までコピーしているなら、当然だろ」
K-Tが言う。
「じゃあ、質問を変えよう」
カキが手を挙げた。
「メバルがKさんに怒ったとき、どうなる?」
本物のメバルが顔を赤くした。
「どうって……別に」
偽のメバルも、同じように顔を赤くする。
「別に」
「ほら、同じだ!」
カキが叫ぶ。
「でも、Kさんが逃げようとしたら?」
本物のメバルは、にっこり笑った。
「捕まえます」
偽のメバルも、にっこり笑った。
「捕まえます」
「窓から投げますか?」
「必要なら」
「必要なら」
カキが青ざめた。
「そこまで完全に再現するのかよ!」
K-Tが本物のメバルを見た。
「麻酔銃を持っている間のお前は、もっと冷静だ」
「もう一人も持ってますけど」
「そうだな」
K-Tは、二人の手元を見る。
「だが、銃の持ち方が違う」
二人のメバルが、自分の麻酔銃を見下ろした。
本物のメバルは、銃口を少し下げ、指を引き金から離している。
もう一人は、銃口をまっすぐ前へ向け、指を引き金にかけていた。
「偽者は、麻酔銃の扱いを知らない」
K-Tが言う。
「メバルは、銃を持つときに必ず安全装置を確認する」
アオノも画面を見ながらうなずく。
「本物の端末には、麻酔銃の安全装置を確認した記録がある。偽者の端末にはない」
偽のメバルの表情が、初めて変わった。
ほんの一瞬、笑顔が消える。
メバルはその変化を見逃さなかった。
「あなた、誰?」
偽のメバルは答えない。
代わりに、麻酔銃の引き金を引いた。
パンッ!
弾丸は壁に当たった。
「危ない!」
K-Tがメバルを抱えて横へ飛ぶ。
本物のメバルは床を転がり、すぐに立ち上がった。
「Kさん、今のは助け方がちょっと強引です!」
「文句は後だ!」
「でも、抱え方が――」
「今はそれどころじゃない!」
「あとで説明してくださいね!」
「分かった!」
カキが叫ぶ。
「そこ、今やる会話か!?」
偽のメバルは、ゆっくりと姿を変え始めた。
髪が黒く染まり、服の形が変わる。
やがて現れたのは、セイジの姿だった。
「セイジ?」
リリカが驚く。
「違う。あれは偽者だ」
本物のセイジが、部屋の隅から声を上げた。
「俺はここにいる!」
「じゃあ、あいつは誰?」
「シェイプシフターだ」
ルイが答える。
偽のセイジは、今度はカキの姿へ変わった。
オレンジ色のヘルメット。
明るい表情。
だが、ヘルメットに描かれた模様が左右逆だった。
「そのヘルメット、偽物だぞ!」
本物のカキが叫ぶ。
「俺のヘルメットは、右側に傷がある!」
偽のカキが一瞬だけ動きを止めた。
「そこまで見てたの?」
「俺の大事なヘルメットだからな!」
カキは胸を張った。
「あと、俺はそんなに姿勢よく立たない!」
「それは自慢することじゃないよ」
リリカが突っ込む。
シェイプシフターは、再び姿を変えた。
今度はK-Tだった。
本物と同じ姿で、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「俺が本物だ」
「またそれかよ!」
セイジが叫ぶ。
本物のK-Tは、シェイプシフターを見ながら短く言った。
「メバル」
「はい」
「撃て」
「分かりました」
メバルは迷わず麻酔銃を構えた。
シェイプシフターが横へ逃げる。
だが、マサカゲが通路をふさいでいた。
「逃げ道はない」
アオノが端末を操作する。
通路の扉が閉まり、シェイプシフターの動きを止めた。
「今です!」
メバルが引き金を引く。
麻酔弾が命中した。
シェイプシフターは数歩よろめき、膝をついた。
K-Tが近づき、腕をつかむ。
「正体を見せろ」
「お断りします」
シェイプシフターは、K-Tの顔のまま笑った。
「その言い方、私よりKさんらしくないね」
メバルが言う。
「Kさんは、そんな丁寧に断らない」
「確かに」
カキがうなずく。
「Kさんなら『嫌だ』で終わる」
「余計な分析をするな」
K-Tが睨む。
シェイプシフターの姿が大きく揺らいだ。
白い光が全身を包み込む。
やがて、その姿は誰でもない灰色の人影へと変わった。
顔も性別も分からない。
端末に、役職が表示される。
シェイプシフター
「正体を確認した」
アオノが言う。
「投票で追放する必要がある」
そのとき、全員の端末に通知が入った。
緊急会議を開始します。
「えっ、今?」
リリカが驚く。
「シェイプシフターが確認されたからだろう」
マサカゲが答える。
会議テーブルが、部屋の中央へせり上がる。
しかし、投票画面には灰色の人影の名前が表示されていなかった。
代わりに、候補者として並んでいたのは――
アオノ。
カキ。
K-T。
メバル。
マサカゲ。
そして、ミステー。
「ミステーは追放されたはずだろ?」
セイジが叫ぶ。
その名前の横に、赤い文字が表示されている。
生存中
全員が息をのんだ。
「どういうこと?」
メバルがつぶやく。
その瞬間、会議室の奥から聞き覚えのある声が響いた。
「私は、まだ追放されていない」
黒い影の中から、ミステーが歩いてくる。
黄色と黒のピラミッド型の被り物。
いつもと変わらない、淡々とした姿。
「追放されたのは、私の影だ」
「影!?」
カキが叫ぶ。
「じゃあ、さっきの追放装置に入ったのは誰なんだよ!」
「私の影」
「だから影って何だよ!」
ミステーは、シェイプシフターを見た。
「犯人は、私ではない」
シェイプシフターが初めて声を発した。
その声は、ゲームマスターと同じだった。
「お見事だ」
全員が固まる。
メバルは、ゆっくりとゲームマスターの声がした方向を見る。
そこには、誰もいない。
ただ、白い壁に新たな文字が浮かんでいた。
第一試合・最終投票まで、残り一回。
そして、その下にもう一つの文字が表示された。
裏切り者は、まだ二人。
シェイプシフターが静かに笑う。
「私を追放しても、ゲームは終わらない」
K-Tは、会議テーブルの投票画面を見つめた。
そこには、ミステーの名前がまだ残っている。
そして、誰も気づいていなかった。
投票画面の一番下に、見慣れない名前が表示されていることに。
ゲームマスター
メバルがその文字を見つけた瞬間、照明が消えた。
コメント
1件
第7話読んだわ!メバルが二人いるって設定、一瞬で混乱したけど、K-Tが銃の持ち方の違いで見破るところ痺れたわ。シェイプシフターがどんどん姿変えていくのも緊張感あって面白いし、最後のミステー生存とゲームマスターの名前出現で一気に畳みかけられた感じ。次の話が気になりすぎる🔥