初心者です。よろしくお願いします!
双子の兄 優司 男 16歳 弟想いで弟の千鶴のためならなんでもする自己犠牲も躊躇わない。普段は冷静でクール。千鶴のことで頭を悩ませることもある。戦闘面は刀を使い、生まれつきある魔術で戦う。
双子の弟 千鶴 男 16歳 明るく元気で兄のことが大好き。負けず嫌いな一面もあり、実は交戦的なところも。子供っぽい性格だが、たまに見せる大人っぽくなるところにギャップが感じられる。そして年上関係なく接するところが良い面でも悪い面でもある。戦闘面では兄と同じく、刀を使い、魔術を使う。
(突然絵柄が変わってびっくりしたと思いますが、最近のものなので上達したためです。優司のイラストは一年前のものなので)
ゆうり ゆうりにも双子の兄がいたが、邪鬼となり、死亡した。常に仲の良かった兄のゆみとを想い、二度とこの悲しみを増やさないために生きている時間を大切にしている。後悔のない人生を送るのが一生の目標だと彼女は掲げている。
(前にいたオリキャラでだいぶ前に描いてたので下手だから載せません。)
厄災が突如と起こり、皆は慌てて避難しようと必死でいた。母親は父親の仏壇が置いてあるタンスの中から遺物を出して、それ以外は持って行かずにまだ10歳の息子たちを連れて家を飛び出した。外の景色は無惨にも焼け、火の粉が舞い、瓦礫の中から助け求める声がしていた。千鶴は助け出そうと瓦礫の元へと近づこうとしたのを母親は咄嗟に止める。
母親「ダメよっ!!あなたまで巻き込まれるわ!」
母親「そんなことより魔物から逃げないと」
千鶴「でも助けを求めてる人がいるんだよ!!ねぇっ!見捨てるのっ!?」
優司「母さんの言う通りだ….助けている間に魔物が来る」
避難対象地域へと駆け出し、足を止めることなく走り続ける。煙を吸い込まないように口元を押さえるも呼吸が苦しくなっていく。目の前は常に火事により、紅く染まっていてこの世の地獄が続いていた。空にはコウモリ科の魔物が飛び交い、悪魔のようで悍ましい空が続いている。
千鶴「こんなの地獄にいるのと同じだよ….」
母親「いややぁー!!!!優司!千鶴!!」
後ろにいた母親が悲鳴をあげる声が聞こえ、振り返ると狂気地味た笑みを浮かべる人型の魔物が母親に大きな手で握りしめていた。口の中へと放り込み、丸呑みしてしまう。
千鶴は目を見開き、口元を強く押さえながら震える声を漏らす。
千鶴「はっ….ゔぅ….」
優司「千鶴っ!!」
千鶴は固まり、あまりの恐怖に怯え、膝から崩れ落ちて体を震わせている。千鶴に目をつけた魔物は大きな手を伸ばし、掴み取ってその場から消え去った。
優司「千鶴…..なんで…..母さん…..」
呆然と立ち尽くし、体から力が抜けていく。今まで一緒にいた家族がこの一夜としていなくなる状況に頭が渦を巻いている。ひとり取り残され、孤独感が襲いかかってくる。胸が苦しくなり、胸を押さえる。涙が溢れ、痛々しい叫び声をこの地獄にぶつけるように….。喉が枯れるまで叫んだ。叫んだ後は虚しさが心を痛みつけた。
このまま、ここにずっと、とどまって生き絶えるまで。
夜が明け、ただひとりそこに留まり続けていた優司。そこにひとりの女性が静かに近づいてきた。
「そこで何をしている?」
「ここは危険ですよ。」
優司は女性の問いかけに応じず、ただ口を塞ぐだけだった。その表情からすると大切なものを失い、死を望んでいるかのようにも見えた。厄災の主犯格は誰なのか知らない。ある被災者から聞いたが、人のような者が魔物へ指示しているという情報を耳にした。それは本当なのかもまだ分からない。
「私は家族を失っている。両親は気の狂った人に殺された。私は双子というのもあってしばらく旅をしていたのですが、兄は変わってしまった。両親を失ったことによる怒りで精神が狂っていきやがては邪鬼という不治の病に祟られ、最終的には悪夢に魘されながら亡くなりました。家族はもうひとりもいません。」
「ところで君はこんな危険な場所で喰われるのを待っているんですか?」
優司「そう….さっきまでいたんだ。家族…..。母さんは喰われてしまった。僕も双子だけど、その弟が連れ去られた。もう助からないと思う。」
女性はふっと笑みを浮かべなぜか笑っている。
「まだ弟は死んでいるかも分かっていないんでしょう?死んだと決めつけるには早い。」
「そうでしょう?」
と手を差し出してきた。その手を取り、立ち上がった。すると茂みからこちらへの視線を感じ始める。
「この感じはそこまで強くないみたいね」
犬科の魔物が数体、飛びかかってきたのだ。女性は鞘から刀を抜き、魔物を斬り裂いていく。宙へと飛びあがったり、華麗な動きで魔物を圧倒する。まるで踊り舞うように。魅了するほど、無駄のない動きだった。数分も経たないうちに魔物は討伐していた。
振り返り、息を切らしている様子も見えない。どれだけ戦ってきたのか想像がつかないが、その強さは確かなものだ。
「そういえば私の名知らないよね?私はゆうり」
「僕は優司。これから探す弟の名前は千鶴。」
「探しに行こうか」
それから探し始めて6年経ってもなお、今だに千鶴は見つからない。
ゆうり「今日はこの宿に泊まろう。」
ゆうりはすっかり大人びた顔になり、優司は頼もしい少年へと成長していた。
宿に入り、見かける人々に千鶴の情報を求めるも、見つからない。そんな毎日が続く中、諦めないのは千鶴のために生きるほかないからだ。千鶴という人間に縛られているようで、未だに夢に出てくるのだ。僕はもうこれほど体は成長している。しかし夢に出てくるのは10歳の千鶴だ。あれから夢でしか会っていない。千鶴はもう生きていないのだろうか?
蝋燭の火が揺れ、静かな部屋に灯りを灯している。揺らめく火は心が揺らぐ模様を描いている。優司には焦燥感が常にあり、口にすることはほとんどない状態。
優司「いつになったらこの旅は終わるんでしょうか…?もう正直、諦めかけてます….。」
優司「千鶴がまるで死ぬなと言うように、命綱が繋がっているようで….それもすら僕には辛い…」
やっと口を開いたことには安心したが、このままでは優司の心身が持たないとゆうりは頭を悩ませる。ゆうりも家族を失った仲間として同情していてもかける言葉は見つからない。優司はただ俯き、沈黙が続いている。沈黙の時間には慣れてしまった。
ゆうり「そろそろ寝ましょうか」
母親「あなた達?魔力は使っちゃダメよ?」
優司、千鶴「はーい」
山へと登り、どちらが早いか競い合って、笑い合い、太陽が照らしてくれるようなそんな蔓延の笑みを浮かべる無邪気な千鶴。
千鶴「やったー勝ったー!!」
優司「良かったね….。」
千鶴「そうだ!チャンバラしようよっ!」
拾った木の枝をこちらに向け、また笑みを浮かべる。本当に千鶴は良く笑う子だ。
優司「あぁ分かった。」
千鶴の攻撃の仕方は負けそうになってもそれを跳ね除けるようなそんな交戦的な戦い方だった。僕は千鶴の攻撃を静かに受け流し、冷静に千鶴の攻撃を読み取っていた。隙を見て、思いっきり叩き込んだ。千鶴は驚くあまり尻もちをついて、ケラケラと笑う。
千鶴「負けちゃったー!」
千鶴「兄ちゃんは強いね〜」
千鶴は起き上がり、服についた土を払う。
千鶴「もう一回戦おうよっ!」
千鶴「次は絶対勝つ!」
そう言って枝を突きつける。そしてまた笑うのだ。千鶴の無邪気さに僕は心の底から笑った。
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