「俺は!お前をぶん殴るために、ここまで来たんだ!」
「はれれ…?」
引き手位置から拳に180度の回転を加えながら、
目標に到達させる鋭い突きが小雀(こがら)の顎を打ち抜く。
累(るい)は確かな手応えを拳に感じながら、
憎き仇の懐に素早く飛び込んだ。
その様子を見つめていたあとりが、ぽつりと呟く。
「…執念の勝利ね」
(やっとだ!やっと追いついたぞ!)
父親を自殺に追いやられ、
いわれのない非難を浴び、
乱暴されかけた妹を守れず、
無様な強盗劇を繰り広げてまで追いかけた少年犯罪者が目の前にいる。
累は体を仰け反らせる小雀を視界に捉えたまま、
渾身の力を込めた拳を次々と放った
(姿勢法…方法!身法!眼法!精神法!勁力法!
呼吸法!節奏法!)
かつて師と呼んだ男と重ねた修行の日々が、脳裏に浮かび消える。
八つの要求点からなる武術八法を心の中で叫び、
累は小****************************
******
************************
*************
****************
***************************
*****
*****
コメント
1件