ー時透sideー
『…はっ?』
「だから、お前忘れっぽいっていうか…記憶喪失じゃん?なのにその子のことは覚えてんだろ?」
『ま、まぁ…』
宇隨さんがずっとニヤニヤしながら話す
恋…か…
「それって立派な恋じゃねぇか」
『そうですかね…』
本当にそうなんだろうか…
頭を悩ませると宇隨さんがこう言った
「…ほら、お前が会いたいやつがご来場だぞ」
『…?』
宇隨さんが指さした所を見ると…
「今日はたくさん食べてね!」
「は、はい…!あり…が…とう…ご、ござい…ます…!」
「きゃー!可愛いわー!キャラメル1000個後で送ってあげるね!」
「えへへっ…キャラメル…1000個…んへへ…」
『…天使が現れた』
「急にどうしたお前」
あんなの天使が舞い降りてきたことしか考えられないでしょ
『じゃあ行ってきます』
「おい待てっ時透っ」
宇隨さんが何か言って気がしたけど…まぁいっか
いち早くあの子に会わないと…僕のこと覚えてるかな…
「…あら!無一郎くんじゃない!」
「…?」
『どうも』
甘露寺さんに軽く挨拶をすると隣にいるあの子に向かってこう言った
『…君の名前は?』
「えっ…?えぇっと…」
その子が慌てる
「おい時透っ…遅かったか…」
名前が無理なら…
『住所とか…教えてくれる?』
「え…」
「0から100に飛びすぎだろ」
いつの間にか宇隨さんも来てたようだ
「あっ…えっと…な、名前…は…!」
「や、やさ…ぐさ…紗奈って…言います…」
紗奈はモジモジしながらそう言った
「じゅ、住所は…!その…い、言えません…」
「当たり前だよ10歳になんて質問してんだよ時透」
『じゃあ家族構成とかは?』
「お前マジか」
「あら…無一郎くん急にどうしたの?紗奈ちゃん、無一郎くんと知り合いなの?」
「た、多分…」
良かった…忘れてなかったみたい
僕忘れられてたら自害する所だったよ
「あ、あの…っ貴方の名前は…?」
あっそういえば言ってなかった
『僕は時透無一郎だよ』
「俺と話してた時より1オクターブくらい高いじゃねぇか声」
「とき…とう…むい…ちろ…う…」
ヤバい、破壊力がえげつなさすぎる
『ふふっ…言い難いよね、無一郎って呼んでいいよ』
「ときとうさん…」
「無一郎くん?!」
名前呼ばれたのにダメージがデカすぎる
「…う、て…て…」
「天元って呼んでいいぞ」
「て、天元さん…こ、こんにちは…」
「視線が怖えぇよ時透」
…宇隨さん、後で覚えときなよ
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