「へぇ…!無一郎くんと紗奈ちゃんは同期なのね〜!なんだか意外〜!」
「よく言われます」
「言われてる所見た事ねぇよ」
『あはは…?』
わたし達は席に座って話していた
改めて見ると…蜜璃さんのご飯の量…すごい量…
…ときとうさん…久しぶりに会ったな…
てっきりわたしの事なんて覚えてないかと思ってた…
「…おい時透、お前任務だろ…」
「あ、そうだった」
ときとうさん任務なんだ…
「あら…そうなのね…残念だわぁ…」
「それじゃ時透。行ってこいよ」
「はぁ…分かりました」
「クソめんどくせぇなその反応」
ときとうさんは渋い顔をすると席を立った
「…あ、紗奈」
『…?』
「またね」
『あっ…は…ま、また…!』
わたしがそう言うとときとうさんはニッコリ笑ってお店を出た
「…ってかアイツ俺らに奢らせてやがるっ!」
「あら!まぁいいじゃない!」
「良くねぇよ」
『あはは…』
わたしは愛想笑いしかできない
昔はもっと笑えてたのに…
『あっ…わたしも任務でした…』
「あら…紗奈ちゃんもなの…」
『か、完全に忘れてました…お金、ここに置いときますね』
「流石に10歳に金出させる訳にはいかねぇよ…奢ってやるから遅れないようにしろよ」
『えっ…いいんですか…?』
流石に…年上の人に奢ってもらう訳にはいかないよね…
「いいに決まってるじゃない!紗奈ちゃんはまだ10歳の女の子なんだから!」
「そうだよ…時透は柱だから許せねぇけどよ…」
『あっ…は、はい…』
ときとうさん…柱の人だったんだ…
わたし…様付けで呼んだ方が良かったかな…
『じゃ、じゃあ…』
「おう、じゃあな」
「キャラメル1000個送っとくわね〜!」
「どういう約束してんだよ」
わたしはそう言うとお店を出た
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『…ここかな…』
今日の任務の場所は人里だった
ここには鬼が出没するらしい
まず…人に聞かないと…
『あ、あの…』
「…ん?嬢ちゃん、どうしたんだい?」
わたしは物腰が柔らかそうな男の人に声をかけた
『えっと…人里で最近起きてる失踪事件なんですけど…』
「…あぁ…あれね…」
男の人はそう言って眉を顰めた
「嬢ちゃん…あまりそういうのに首を突っ込まない方がいいよ…嬢ちゃん、まだ10歳前後だろう?」
『…っ』
わたしは、昔からそう言われるのが苦手だった
わたしはまだ幼子だから、体もまだ未熟で経験もまだ少ないから
…昔、その事でちょっと揉めたし…
だからわたしは階級を下げて疑われないようにしたんだ
『だ、だけど…!』
「…もしかして、探偵ごっこかい?そういうお年頃だもんねぇ」
『ちっ…違います…』
男の人はニッコリ笑ってそう言った
…わたしだって…っ
「用はそれだけかい?」
『あっ…!ちょっ…!ま、待ってください…!』
男の人はそう言うと離れてしまった
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…もう夕方になっちゃった…
ほとんどあしらわれただけだったな…
もう少しわたしの年齢が上だったら話を聞いてもらえたのに…っ
『…!』
少し鬼の気配がした気がした
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