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そうして炎端さんは猛スピードで走り出し、日本国の大阪の山の中に入って行きました。
山の中にはとても大きな館がありました。その館の庭に炎端さんは勢いよく入り、「愛華!僕もう駄目!緊急!」と叫びました。
「連華、もう、僕達ドールのリーダーを呼んだから、僕の能力、“身代わり”で連華のしんどさを取るね。そしたら僕は暫く寝てると思うけど」
私を降ろしてそう炎端さんが言いました。
炎端さんが私の前に手を近づけて「身代わり」と唱えると、私のさっきまであったしんどさが無くなり、むしろ、体が軽くなった様な感覚でした。
「炎端!どうした!」
私が驚いていると、私達のリーダー、愛華さんが館の縁側から飛び出て来ました。
「この、子、れんめい、ドールで、ぼ、く、能力で、ハァ、ハァ、うけおった、から、あ、と、よろ、」
息も絶え絶えの状態で、そう言い残して、死んだように眠りに就きました。
「了解した」
草花の上に寝転んでいる炎端さんの頭にポンッと手を置き、愛華さんは力強くそう言いました。
「お前が、連華だな?炎端なら大丈夫だ。お前の苦しみを身代わりしただけだ。此奴はタフだからな、数時間もすれば目を覚ます」
ただその場に立ち尽くしていた私に愛華さんはそう言いました。
「ゲホッ、ゲホッ、ハァ、これじゃ、私も駄目だな。取り敢えず、炎端を医療室へ運ぶか」
綺麗な紅色の瞳を隠すように愛華さんは顔を覆ってそう呟いたかと思うと、気を入れ直すようにとても長い漆黒の黒髪を後ろで一つに結び、炎端さんをおんぶしました。
「連華もついて来い」
言われるがままに私は愛華さんについて行きました。