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ピピピ、と携帯からアラームがけたたましく鳴る音で目が覚める。
布団からもぞっと顔を出すと、昨晩近くに置いた携帯を手に取る。
「…もうこんな時間か…」
鳴り続けているアラームを止め、軽い溜息を一つついてそう呟く。
携帯が示した時刻は9:40。
もしこの時刻が本当なら、私はアラームを3回寝過ごしている。遅刻していてもおかしくはない、というか確実に遅刻する。
…まぁ会社への出勤がなければ話は別だ。遅刻なんて概念はどこにも存在できないのだから。
やっぱり休日最高だな〜、なんて思いながら布団から体を出して立ち上がり、おもむろに外に出る準備を始める。
そうだ、会社が休みとはいえどそれには理由がある。実家へ帰省という、外に出る理由が。
一応部屋着でも外には出られるのだが、こんな格好して行ったらお母さんに怒られてしまう確率が高いので、この服では帰省はできないのだ。
…さて、そんな事を考えて(?)いたら着替えや洗顔などの用意は終わった。後は〜…なんかあったっけな…?
「あ、そうだピアスつけなきゃ…」
携帯の置いてあった場所の隣にあるピアスをしゃがんで取り、耳につける。ピアスは揺れると時々、カラン、と音を鳴らす。
「…よし。」
部屋にあった鏡に映った姿を見て、いつもの私だ、と実感した。これで外へ出る用意は終わっただろう。
これから私は実家へ帰る。なんか気まずくなりそうだなぁ…なんて思い心の中で笑いながら、半日ほど過ごした施設を出た。