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小さい頃からアイドルになりたかった。

ステージで輝いてみんなを笑顔にする存在に憧れた。


でも、俺はアイドルに向いているわけではなかった。

身長は低いし、顔もイケメンと言われたらそうではない。それに緊張するとお腹を壊したりするからだ。


それでもあんな存在になりたくて、夢を叶えたくて、努力をした。


毎日身長を伸ばすためにたくさん食べたり、ダンスや歌の練習をした。

そしてオーディションも何度も受けた。けど書類審査で不合格になってしまったりアイドルになることはそう簡単じゃなかった。





そんな俺でも、最終審査まで残れたオーディションがあった。そのオーディションは料金を払うと見れる番組でカメラマンの人がいたり大規模だった。そこまで自分が残れたのはほぼ奇跡だった。


ライバルの影山や、尊敬する赤葦さんなどもいた。

中には韓国で練習していた人もいた。そんな環境でもアドバイスをもらいながら頑張ってここまできた。


そして最終審査を終えて結果が発表される。

合格するかはわからないけど、自分を信じて全てを出し切って夢を叶えたい!




─────────────────







そんなうまくいくはずがなかった。そう思わされたのはついさっきのことだった。

やっぱり自分には実力がなかったんだ。仲が良かったあいつ達の名前が呼ばれる中、俺は途中で察してしまった。


影山の名前が呼ばれた時にもう後に名前を呼ばれる人たちが想像できてしまったからだ。


そう考えているうちに名前は呼ばれていった。






















案の定俺の名前は呼ばれなかった。


もうそれでいい。

もうこれで諦めるつもりだったから。これから先はアイドルじゃなくて社会人として生きていかないといけないから。

大学へ行って就職しないと、ただでさえ親に迷惑をかけたのに恩を返せない。


もうこれが最後。



俺の名前が呼ばれずにステージから去る時、影山がこっちをチラッと見た。

影山は、俺に何かを訴えかけていた。そんな気がした。

でも、俺は微笑むだけでステージ上から去った。



もう夢を見るのは終わり、二度と同じ舞台に立てないから。


潔く諦められて良かった。









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