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フィンたちは魔王ヴァルドラの圧倒的な力に苦戦しながらも、必死に攻撃をかわしていた。
「ローザリンド! 左だ!」
フィンが叫ぶと同時に、巨大な炎の弾が地面に炸裂し、広場がさらに崩壊する。
「わかってる! でも火力が違いすぎるわ!」ローザリンドは槍を振り上げ、ヴァルドラの攻撃をギリギリで弾くが、体力の限界が近づいている。
ドーベンが冷静な声で状況を分析する。
「このままでは10分以内に全滅します。撤退するべきでは?」
「撤退って、どこに逃げるんだよ!」フィンが叫び返す。
「街の人たちを置いていけるわけないだろ!」
ヴァルドラが腕を大きく振りかざし、暗黒のエネルギーを収束させる。
「無駄な足掻きだ。この一撃で終わらせてやろう。」
街全体を飲み込むような巨大な黒い光球が形成される。
その時、フィンの胸に浮かんだ紋様が強く輝き始める。
「なんだこれ!? また新しいフラグかよ!」
「フィン、その力を使うのよ!」ローザリンドが必死に叫ぶ。
「使うってどうやって!? マニュアルくらい欲しいんだけど!」
しかし、フィンの体は自然に動き出し、剣を掲げる。周囲の空気が一変し、黒い光球が次第に吸い込まれるように消えていく。
ヴァルドラが驚きの声を上げる。
「その力…王の力か!」
フィンが驚きながらも叫ぶ。
「マジで俺、王族って設定なのかよ!?」
フィンの覚醒した力は確かにヴァルドラの攻撃を無効化したが、その反動で彼の体には激しい痛みが走る。
「ぐっ…なんだこれ、力を使うたびにダメージが…!」
ローザリンドが駆け寄る。
「無理をしないで! あなたが倒れたら、私たちも終わりよ!」
「でも、やらなきゃみんなが危ないだろ!」フィンが苦しみながらも立ち上がる。
ドーベンが低い声で言う。
「王族の力には制約がつきものです。それが代償…。」
「そんなの後でいい! 今は目の前の魔王をなんとかするしかないんだ!」
ヴァルドラが満足そうに笑う。
「よかろう。その力がどれほどのものか見せてもらおう。」
フィンたちの周囲に再び赤黒いエネルギーが渦巻く。ヴァルドラはさらに巨大化し、その姿はもはや怪物そのものだった。
「こっちは覚醒したばっかりでヘトヘトなのに、あっちはパワーアップかよ!」フィンがツッコむ。
「でも、もう逃げられないわ。やるしかない。」ローザリンドが槍を握り直す。
ドーベンがD47を完全起動させる。
「私も全力を出します。後悔のない戦いをしましょう。」
フィンの覚醒した力と、ローザリンド、ドーベンの全力が一体となり、ヴァルドラとの死闘が繰り広げられる。
だが、その戦いの最中、フィンの力が暴走を始める。
「俺の体が…勝手に動く!? やべぇ、これ制御できてねぇ!」
ローザリンドが驚く。
「フィン、その力を無理に使わないで!」
「そんなこと言っても…!」フィンが叫ぶが、彼の剣は制御不能な力で地面を斬り裂き、仲間すら巻き込む危険が迫る。
ヴァルドラが不気味に笑う。
「その力が貴様を滅ぼすのだ!」
絶体絶命の瞬間、遠くから矢が飛来し、ヴァルドラの腕を射抜く。
「誰だ!?」ローザリンドが声を上げる。
影の中から現れたのは、黒いフードを被った弓使いの女性だった。
「ここからは私が手を貸す。」
フィンが驚きながら尋ねる。
「お前、何者だ!?」
「私は『影の狩人』。魔王を討つために送り込まれた者だ。」
画面に次回の文字が浮かぶ。
「次回:王族の宿命と狩人の矢!」
フィンの声が聞こえる。
「新キャラ登場とか、やっぱり俺たちだけじゃ無理だったんだな…!」
ローザリンドが冷静に答える。
「いいじゃない。強い仲間は歓迎よ。」
ドーベンが静かに付け加える。
「しかし、彼女にもまた秘密があるはずです。」
To Be Continued…