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〖アイビー〗
# 10
〔 成亜視点 〕
ガチャ、っとドアが閉まる音がして
静まりかえった部屋で1人涙を堪える。
……涙、止まらへん。
なんで、泣いとるんやろ。
さっきまで、青空くんが座ってた椅子
さっきまで、青空くんが着てた部屋着
成亜があげたぬいぐるみ
成亜があげたマグカップ
全部あるのに
青空くんが、いない。
…そう、やんな。
いつも通りなんやから。
「そらくん…ッ」
何回も時間をみて
連絡がきたらすぐ見れるように、ずっと開いておいて
一分、二分とすぎる時計を見つめて。
……来ない。
なんで、連絡くれへんの。
今日は、たまたま誘われただけや。
大丈夫…、大丈夫や。
すぐ帰ってくる。
成亜んとこ、居心地えぇやろ。
なぁ、居てくれるやんな…?
手が震えて、呼吸は浅くなる。
なんで、なんで、って
他はなんも思えへんくて。
声は掠れて、目は涙で歪んで
頭が回らんくなって
ただ青空くんの帰りを待つ。
成亜だけでえぇやん。
ちゃんと、全部用意しとるのに。
…片想い、やないやんな。
やって、青空くんは…
成亜のこと、見てくれとるもん。
……好きやって、言うてくれたやん。
嘘、ちゃうよな…?
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こげ丸