・irxs
・赤青赤
今週もおつかれさま。
みんなもたそほてやろうね(
気づけば、空の橙と青を綺麗に映した海のある砂浜に立っていた。
地平線に太陽が沈もうとする最中で、それはそれは幻想的な景色だった。
砂浜に座って、ぼんやりと空と海を見つめる。
背後から聞こえるのは自動車や行き交う人々の喧騒。
確か黄昏時と呼ぶこの時間。まぁその意味までは覚えていないが。
しばらくして、周りを探索しようと立ち上がる。ズボンに付いた砂を払って、波打ち際を歩き始めた。
軽い砂の上を歩くと、少し砂に足が埋まる感覚と波が足元を攫う感覚が気持ちよくて、つい端の方まで歩いてしまう。
でもふと振り向いた時、足跡はひとつも残っていなかった。
さっきよりも沈んだ太陽を見つめて、そばにあった崖の上を見据えた。
ふとそこに登りたくなって、砂浜から離れ其方に向かった。
崖の上に上がるとそこは、海と空を一望できる場所があった。
そしてなぜか、青いラッピングがされた花束が置かれていた。
「…綺麗な花。」
花束には6種類ほどの花が使われていた。
よく見てみれば、その色は見覚えのある、というかいつも見ていたものばかりだった。
それがなんだか嬉しくなって、 花束を抱えて崖の縁に座ってまた夕日を眺め始めた。
もうすぐ黄昏時が終わると言った頃だろうか。背後から足音が聞こえてきた。
この景色を見に来た人なのかもしれない、そう思って立ち上がったその時、何かが地面に落ちる音がした。
それに驚いて振り向いたその時、声が聞こえた。
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いつも通り、まろのお見舞いに行こうと思った。
もう行きつけのスポットのような感じがする海辺の崖は、とても綺麗な景色が見える場所だ。
なんだかんだロマンチストなまろが、最後にそこを選んだのも納得出来る。
だからその景色に似合う色の花束と、2本のお酒を持って崖をのぼった。
夕日が眩しくて、すこし眉を寄せながら端まで歩く。
するとその崖の縁に、誰かがいるのが見えた。
でも顔は見えなくて。なのにそのシルエットはよく知っていて。
まさか、
ドサッと持っていた花とお酒の缶が手をすり抜けて落ちる。
その音に驚いた前にいる人影は、ゆっくりとこちらを振り向く。
「……まろ、?」
顔が見えない。色ははっきりとわかるのに。
昨日誰かが持ってきた花束を膝に抱えてこちらを振り向いた彼は、一瞬動揺したけれどすぐにふわりと笑った。
「…久しぶりやなぁ、りうら」
「なんで、…ここに」
「俺も分からん笑」
困ったように眉尻を下げ、消えそうな笑顔を見せた。
「…氷結、持ってきたよ。一緒に飲もう?」
「お、気が利くやん」
栓を開けて、かつんと乾杯をする。
風に揺られて気持ちよさげにお酒を流し込むまろが見れて嬉しくなった。
二人で話しながら飲んでいると、そろそろ暗くなりそうな時間になっていた。
まろは「よしっ」といって立ち上がり、持っていた二つの花束を地面に置いた。
「そろそろ、帰らなあかんみたい」
「っえ、」
「俺の部屋、綺麗にしといてな?また帰るから」
「そんなこと、言われても…っ!」
「…じゃあな、りうら。ないこたちにもよろしく言うとって?」
「…うん」
「部屋を片付けても、…まろはもう死んでるじゃん、」
俺のその言葉とほぼ同時に、まろは悲しそうな笑顔で暗闇に消えてしまった。
黄昏時は、彼岸と此岸が交わる時間帯。
また、人の顔が見えない時間とも言われている。
Fin.
お知らせですー!
やっと僕の等身イラストが完成いたしました〜👏🏻👏🏻
いやぁ約3年越しにですね…(
最近はFAやらなんやら用意してくれる方々が急増してましてですね…そちらの参考にでもしてくれよな😉
差分欄の1番下は、おめめのサンプル用なので参考にぜひ!
FAなどの投稿の際は、僕個人にメッセージまたはテラー内でタグ(#ここだよなり!)をつけての投稿のどちらかでお願いいたします!
個🍵は、いんすた(nari_san_5)か らぃん のどちらかで!ついったは返信いたしませんのでご注意を🙇🏻♀️🙇🏻♀️
ほな!!
(コメ欄にネタバレ解説貼ってるので是非見てみてね🤪)
(あとなぜか下の点が消えない。なぜ。)
コメント
9件
なりさんの小説のかきかたほんま大好きです.ᐟ.ᐟ 解説切なすぎて好きです ← 応援してます.ᐟ.ᐟ
えぇぇ!? 好きすぎる…😭 なんか、ミステリー(?)とかいいよね!!?((語彙力
解説(ネタバレ)返信欄へ↓↓↓