テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
5件

初コメ失礼しますm(_ _)m本当に話を書くのが上手すぎて感動してます🙊本当に文章も読みやすいし凄く魅入っちゃう。。魅力的すぎます🍀*゜これからも応援してます🩷
< pnside >
仕事終わりの図書館は、いつもより少し静かに感じた。
返却カウンターの下にしまったカードケースの重みが、今日だけやけに気になる。
胸の奥が妙にふわふわして落ち着かない。
理由は分かってる。
今日、また先生に会うから。
バイト終わりにクリニックへ向かう足取りは、いつもよりゆっくりだった。
自分でコントロールしてるつもりでも、どうしても歩幅が狭くなる。
風が吹くたびに、あの夜の病院の白い匂いが、ふっと思い出の奥から顔を出してくる。
三年前の俺は、足も満足に動かせなくて、天井しか見えなくて、未来なんて考える余裕もなかった。
でも先生の声だけは、不思議とすっと耳に入ってきて、落ち着かせてくれた。
その声に、今日また触れる。
それを思うだけで、胸の奥がひゅっと鳴る。
クリニックの自動ドアをくぐると、薄い薬品の匂いが鼻に触れた。
受付の子がいつも通り名前を呼んでくれて、俺は軽く頷きながら診察室の前に立つ。
扉の前で、一度深呼吸した。
本当はこんなことする必要ないのに、胸の鼓動がうるさくて落ち着かない。
ノックして扉を開けると、先生が机の向こうからゆっくり顔を上げた。
rd「来てくれてありがとう」
rd「今日は忙しかった?」
その声が、思ってたよりずっと柔らかかった。
三年前の声と変わらないのに、前より穏やかで、俺の心にそのまま触れてくるような感じがした。
pn「まあ…忙しかったけど、なんとか。」
素直に言おうとすると照れるから、少しそっけない調子になる。
でも先生はそれを気にした様子もなく、俺を見る目だけほんの少し温度を上げた。
rd「声掠れてるね、喉痛い?」
pn「痛くないよ、疲れてるだけ」
そんなの普通気づかない。
でも先生はあの頃からそうで、俺の小さな変化を拾いすぎるくらい拾ってくる。
rd「そっか …」
その言い方が優しくて、思わず心臓がくすぐられる。
気づいてほしくないときに限って、先生は俺の変化を全部拾ってくる。
rd「昨日はよく眠れた?」
pn「….まぁ、一応、」
rd「あんま寝れてないんだ」
軽く笑うみたいに言うくせに、目はちゃんと心配している。
俺の声のかすれ具合だけで、そこまで気づく医者なんて他にいない。
先生はカルテに視線を落とすけど、その合間合間でこっちを確認するみたいに目を上げた。
何を探してるのかは知らないけど、俺の声や仕草にいちいち反応する。
三年前、あんなに弱った俺をずっと見てたからなのか。
それとも、それ以外の理由があるのか。
そんなことは聞けないくせに、知りたくて仕方ない。
先生はカルテをめくりながら、ちらりと俺の歩き方に視線を向けた。
その一瞬の動きに気づいた自分にも驚いたけど、それより先生の目の奥が少し揺れたのが分かった。
rd「歩き方、いつもより疲れてる感じしたけど…大丈夫?」
pn「見すぎじゃない?笑ヾ」
わざと軽く笑って返すと、先生はちょっとだけ息を飲んだみたいに見えた。
rd「まぁ医者だからね。そんなもん」
言葉では線を引く。
でも視線は嘘をついていない。
俺の全てを確かめるみたいに静かで、でも逃げない目をしている。
rd「……俺は医者だからなぁ、」
rd「線を引くのは大事なんだけど…」
距離を作る言葉のくせに、目が全然離れない。
むしろ、前より俺を見てくる。
これは気のせいでは無いと思った。
pn「先生って…ほんと分かりやすいよね」
Nera🍀︎❄🐈⬛
10,287
雨月
649
#実況者
ことね@ペア画中@低浮気味
1,166
冗談みたいに言ったのに、自分でもびっくりするくらい声が少し震えてた。
俺の言葉に、先生の手が一瞬止まった。
rd「え〜分かりやすいかな?笑ヾ」
その言い方が優しすぎて、俺の心の奥のどっかがゆるんだ。
そのせいで、つい本音が落ちた。
pn「だって…俺のことまだ見てくれてると思ったから…、 」
視線を外したのは俺の方。
頬が熱いのを見られたくない。
静かに息を整えた先生が、少し小さな声で言った。
rd「覚えてるに決まってるじゃん」
rd「俺の初めての患者さんだったし」
胸の奥が、ぽん、と跳ねた。
返事ができなかった。
pn「…先生ってさ、ほんとに変わらないよね。」
rd「そう?」
pn「うん、」
俺の声が少し沈んだのを察したのか、先生はペンを持つ手を止めた。
視線がまっすぐこちらに戻ってくる。
rd「…ぺいんとはかなり変わったね」
その一言で、胸がじんと熱くなる。
照れ隠しに視線をそらすと、先生が小さく息を吐いたように聞こえた。
rd「三年前より、歩き方も声も…全部変わったよ。いい意味で。」
pn「…そんなに?」
rd「うん」
その言い方が、ずるいくらい優しい。
医者としての線を引こうとしてるくせに、俺の変化には全部反応してくる。
その矛盾が、ほんのりあったかくて、でも少し苦しかった。
診察が終わってドアの前まで歩くと、先生がゆっくりと声を落とした。
rd「またいつでもおいで。無理しないで。」
その声音が、耳の奥に深く残った。
後ろを振り返る勇気はなかった。