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❀あくまで作者の自己満ノベルです
❀オリジナルの概念が登場しますが実際には存在しません、あくまでフィクションです。
❀誹謗中傷や批判コメはやめましょう 作者が単純に悲しくなります
❀誤字脱字は友達、語彙力は帰ってきません。
これらを踏まえた上で、ごゆっくりお楽しみください。
#1 コウシランショウ
〜覡神社
よく晴れた平日の昼、蒸し蒸しとした空気を割くように、部屋に着信音が鳴り響く、小走りでそこに向かい、座布団に正座をし、スマートフォンを手に取る。
[お電話ありがとうございます、こちら覡神社でございます。]
“平日の真昼間から申し訳ないです”
地を這うような低い声、中年男性といったところだろうか、声的には日本人ではなさそう、ドイツ系のハーフだろうか。
[いえ、大丈夫ですよ、本日はどう言ったご要件でしょうか?]
“そちらの方に、お祓いの依頼をしたく”
[かしこまりました、ではお名前と住所をお願いします]
“黒瀬傑、身分上全て正確には言えませんがW国城下町に住んでいます、連絡先はこちらから送らせて頂きます”
メモに言われたことを打ち込み、相槌を打つ
[黒瀬傑様ですね、報酬の方は人数プラス、妖の強さにより変化いたします、そのため依頼後となります]
[お祓いの方法に関しては、こちら、覡神社に来ていただくか、私がそちらに向かいます、向かう場合、交通費の方は5割負担とさせて頂いております。]
”…人数は14人、来ていただきたく思っています”
[じゅっ…よにん…W国…かしこまりました、…かなり報酬は弾みますが、よろしいですか?]
“大丈夫です。到着はいつ頃になるでしょうか?”
[はい、準備等も含めて明日、日をまたぐ頃には着くかと思われます。お急ぎであれば本日にでも]
“急ぎではありませんので、2日後で大丈夫です。こちらの空港に着いたら連絡をください、迎えに行きますので”
[わかりました、ご依頼頂きありがとうございます、貴方様に氏神様のご加護があらんことを、それでは失礼いたします]
通話をきると、スマホを置き溜息を吐く
[…..]
[は、早く予約して準備しないとな……ちょっと…..遠いな……]
額を流れる汗を拭い、颯爽と自身の部屋へと走っていく
[旅なんて久々だな…しばらく神社あいつに頼まないと…..]
お譲りのキャリーケースを押し入れから引っ張り出し、埃を払う、開くと中は空っぽで鍵だけが入っている
[えーっと…..着替え…パスポートと財布はこっちのバックに…御幣の予備紙…御札沢山、御守り、一応人形も何個か持ってくかー…あっ念の為刀も持ってこ..これは腰でいいか….]
序盤は良かったものの、途中から狂った信者のような数の御札にお守りに人形、これ審査通る?銃刀法違反じゃないです、巫女です、許して、国から許可もらってます。
[現地調達できそうなものは持ってかなくていいか…..]
しばらく旅の準備をし、高いなと思いながら国際便の手配を済ませる、最後にスマートフォンを手に取り、ある人に電話をかける
[…………]
[あ、もしもし?]
“はいはーい、どうしたの?”
[今回依頼で結構遠出することになってさ]
“なるほど、じゃあ僕が神社の面倒見とくから、安心して”
[理解が早くて助かる、ありがとう]
“いいえ、ちなみに何処?”
[…W国、人数が14人]
“えっ、遠いし多いね!?”
[そうなの、報酬弾みますよって言ったけど大丈夫の一点張りでさ]
“相当お金持ちなんだね……”
[そうっぽ、じゃあいつもみたいに結界は張っておくから、よろしくね]
“はーい、それじゃすぐ行くから”
[うん、わかった]
そうして電話を切る、電話の相手はただの人間で、妖が見えない、だから神社に妖が入ってこないように結界を張る、無論人間は出入りできるが。逆に私は、人間と同等レベルで妖がはっきり見える、それに妖力も多い、先祖代々、この家は祓い屋なのだ。本当だったら、女の子らしくお花屋さんとか、喫茶店の店員さんとか、やってみたかったなって思う時も稀にある。でも、この仕事も悪くは無い。
[掃除しますかぁ…]
自身の巫女服に着替え、御札と御幣を手に取る、服に関してはかなり気にいっている、綺麗な生地で、動きやすいし、妖が寄ってきやすい少し特殊な素材だから。
外に出ると、辺りをうろついていた妖が一斉にこちらを見る、視線は嫌いだ
[“此処にて命ずる、神よ、我を導きたまえ”]
地面に御札を置き御幣に妖力を貯め、一気に解放する
[“解”]
そういうと、徘徊していた妖共は灰になり消えていく、台詞が厨二病だな、とは何度も思ったがご先祖さまがそう言っていたのでしょうがない。
[……ふー]
[“四重結界”]
かなりの長期戦になるはずだから中級の妖までなら通さない程度の結界を貼る、これなら長引いても3週間は持つだろう。
妖の中でも上・中・下があり中がいちばん厄介である、上級は大人しいものが多く、こちらが危害を加えなければ上級の妖は何もしてこないことがほとんど、中級は大体問答無用で襲いかかってくる、下級はそれの弱体化版のようなもの。上・中・下の中でもさらに細かくS ,A,Bに分けられる、上級の中には稀にSSも存在する。そこまでいくと、妖というより神の存在に近い。
[よし、あとは掃き掃除でもしますか…..]
箒を取りに物置に行き、戻って来ると、参拝客が来ていたようで、お賽銭を入れると、本坪鈴を鳴らし、祈る、身なりが整ったいつも決まった時間に来てくれる妖、こちらに気づくと軽く会釈をし、去っていく、そんな彼に小走りで近づき、声をかける。
[いつもありがとうございます、私しばらくここ開けるのですが、他のものが対応するので、変わらずどうぞ。]
”……コク”
頷いたのを確認し、妖のすぐ隣まで行く
[絶対に手を出すなよ、妖]
そうつぶやくと、妖は喋らず、2度頷く、また頭を下げてそのまま神社を後にした。
[不思議な妖だな…..悪いやつじゃないしいいんだけど…..]
去っていった妖とすれ違うようにして、先ほど電話した彼がやってくる
「おーい雅〜来たぞ〜!」
片手を大きく掲げ左右にブンブン振りながらでかい声で名前を呼ばれる
[はいはーい]
「あれ、左目どうしたの?」
掃除をする前に来てしまった…..まぁいいか、明日から彼にやらせるし。
[あぁこれ?ちょっと油断しちゃってさ、やられちゃった]
私の名前は如月 雅、あまりにも派手な名前なので正直あまり好きでは無い、雅とは簡単に言えばあでやかで上品であること、かなりハードルの高い名前である、ありがたいことに顔面は中の上くらいだからまだいいのだが。
二階堂 汀彼の名前は引っ越してきたためこの辺ではなかなかいない珍しい名前と苗字である、漢字の通り、爽やかで元気。幼少期からの幼なじみで、よく一緒に遊んでいた、最近はお互いも都合が合わなく、こうして神社を頼む時くらいにしか呼ばなくなってしまったが。
「そうだったんだ…..気をつけてよー?」
[うん]
「あ、そいや久しぶりだね、会えて良かったー」
[うんおひさ、私も会えてよかった、とりあえずお参りしたげて]
「はいよー」
そういうと彼はポケットから財布を取りだし投げ入れる。お金同士がぶつかり合うガシャンという音の後、二礼、鈴を鳴らし、二拍手、数秒祈りを捧げた後、一礼をしてこちらに向き直る
「よし、じゃあお邪魔しまーす!」
そういうと靴を脱ぎ中に入っていく
[w……元気だな]
箒を入口近くに立てかけ、靴を脱ぐ、脱ぎ捨てられた彼の靴を揃え、中に入る
「あー涼しー、なんでエアコンないのにこんな涼しいんだろ」
[妖力パワーかな]
「妖力すげー」
畳に大の字に寝転がりそう言う
[お昼食べた?]
「んー、まだ」
[じゃあ一緒に食べよっか]
「うん、あ、オムライス食べたい!」
[はいはい]
私の前だからここまで甘えたがり屋というのもあるのだろうが、年齢の割には童顔だからかなり幼く見える、結構可愛い。衣紋掛けにかけてある割烹着を取って着る。
台所へ向かい冷蔵庫から卵を数個だし、ボウルに割り入れる
[……..]
運良く鶏肉があったため鶏肉と玉ねぎを細かく切り、フライパンに入れる、少し炒めて米を入れ、ケチャップを入れる、またしばらく炒めて火を消す。出来上がったケチャップライスを皿に盛り付け、空いたフライパンに油を敷き、溶いた卵を入れる、汀にしょっちゅう昼飯を作っていたらいつの間にかオムライスを作るのが上手くなっていた。タイミングを見計らい焼けた卵をライスに乗せる。
[デミグラスとケチャップどっちがいいー!]
声が届くように大きくそういうと、居間からケチャップ!と聞こえてくる。
でき上がったオムライスにケチャップを垂らし、完成、上出来。スプーンとオムライスをお盆に乗せ、居間に運ぶ。
[できたよー]
「わー!美味しそ」
[あ、飲みのもの何がいい?]
「んー、コーラ!」
[おっけー]
「それは俺も手伝うー」
それは、彼は大の料理下手で、1度手伝ってもらったことがあったのだが、シンプルに地獄空間ができあがった。
[コップそこね]
「うす」
取り出してもらったコップに氷を入れ、飲み物を注ぐ、注ぐ瞬間に妖力を少し含ませ、彼に妖が寄り付かなくなる飲み物にする。このことに関しては彼には伝えていない、過保護すぎると言われるかもしれないから。でもこれくらいしないと、もしも上級妖が入ってきた時に襲われる可能性があるから。
[あ、これゼロコーラねよろ]
「おけー」
ゼロの方が味に違和感が出にくいんです!!糖分が少ないので。割烹着を脱ぎ、また衣紋掛けにかける。
[じゃあ食べよかー]
「うん」
[「いただきます」]
手を合わせると、声が重なる。
「ん、おいし」
軽く微笑むようにそう言われ、自分もつられて微笑む
[そ、良かった]
「ちなみにいつ出発?」
[早いところ明日の朝には出発するよ、依頼人数多いし、遠いからね]
「そっか…..」
出発時間を聞いた時、あからさまに表情が沈み、しゅんとなる、犬かッ..
[だから、家出る直前まで一緒にいようね、今日は一緒に寝よ]
「うん!」
感情の起伏が激しいな….
[最近は何してんのさ]
「最近?うちの家系さ、格闘家じゃん?」
[そうね]
「それ継げっていわれたから、ちょっと前から訓練中なんだよね」
[…..そう、怪我は?]
「たまにするかなー、昨日も少し腕やったし」
[でも、たしかに前よりも体つき良くなってめっちゃ男らしくなったね]
軽く治癒の妖力を彼に投げる、これで傷の痛みが消えるだろう。
「そう?ありがと!」
「そういう雅は何かあった?最近」
[最近はね、そうだな、全盛期よりは参拝客少し減ったけど毎日来てくれる人いるね]
[それに、人型の上級妖がねー参拝に来てくれるの、最近]
「へぇー妖もお参りなんてするんだ」
[ちなみにあんたとすれ違ってたよ]
「えっそうだったの、全くわかんなかった…..」
[わかんなくていいの、不気味だし]
「そっか、上級妖って危害が少ないって前言ってたけど、もしかするとなんかしてくる可能性もあるの?」
[可能性はあるけど、ぶっちゃけ私の方が強いんだよね、それに、ここの神社私の絶対領域だから、暴れたりはしないんだ]
「へーなんかかっこいいw絶対領域か…」
[ふふ、だから安心していいからね、私が居なくても私の妖力が残ってる限り襲ってこないから、それに、結界張ってあるから大丈夫]
「そっか、いつもありがとね」
[ううん、私こそ]
食事のあと2人で片付けてその後2人で話したり、ゲームをして時間を過ごした、夜、お風呂を済ませた後
[そろそろ寝よっか]
「うん…眠い」
[w健康的だね、じゃ電気消すよ]
「んー…..おやすみ」
[うん、おやすみ]
静かに目をつぶった汀の頭を軽くなでる
「ん…..」
[……いい夢見てね]
「嚆矢濫觴」
物事の始まり
To Be Continued