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文化祭編
文化祭当日。
朝から校内は、いつもとは違う賑やかな空気に包まれていた。
廊下には色とりどりの飾りが並び、教室からは楽しそうな声が聞こえてくる。
「わぁ……!」
ふうかは目を輝かせながら校内を見回した。
「すごい……昨日まで普通の学校だったのに、全然違って見える」
今日はふうかのクラスも出し物をする日。
クラスメイトと一緒に準備をしていると――。
「ふうか、これ持っていって!」
「うん!」
「それ終わったら、こっちの飾りもお願い!」
「分かった!」
忙しく動き回るふうか。
そんな彼女を、少し離れた廊下から見つめる人物がいた。
「……ふうかさん」
ベリアンだった。
文化祭の準備をしている生徒たちの手伝いをしていた彼は、ふとふうかの姿を見つけた。
楽しそうに笑っている。
その笑顔を見られることが、ベリアンは嬉しかった。
――本来なら。
「ふうかさん、こちらをお願いします!」
男子生徒がふうかに声をかける。
「うん!」
ふうかはその男子生徒の隣へ行った。
「これ、どこに置けばいい?」
「こっち。……あ、ちょっと待って。俺が持つよ」
「ありがとう!」
ふうかが笑う。
男子生徒も笑う。
その光景を見たベリアンは、ぴたりと足を止めた。
「…………」
いつもの柔らかな笑顔が、ほんの少しだけ消える。
「……随分、仲がよろしいのですね」
小さく呟いた。
自分でも分かっている。
ふうかは何も悪くない。
ただクラスメイトと文化祭の準備をしているだけ。
それなのに――。
胸の奥が、ざわざわする。
「……また、ですか」
ベリアンは小さく息を吐いた。
以前にも感じた、あの感情。
嫉妬。
そして最近は、それだけではなくなっていた。
もっとふうかの近くにいたい。
自分が一番近い存在でありたい。
そんな気持ちが、少しずつ大きくなっていた。
コメント
1件
さくらさん、読了しました〜! 文化祭の賑やかな雰囲気がすごく伝わってきたし、ふうかちゃんの楽しそうな様子とベリアンの内面のざわつきの対比が丁寧で…。嫉妬って感情をベリアンが自覚して、しかも「自分が一番近くにいたい」って気持ちが膨らんでいくところ、ヤンデレ好きとしてはたまらないです🥀 この静かな執着の描き方、すごく好きです。続きが気になります…!
ちょむ
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