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ちょっとピ⚫︎ポ⚫︎ネタ
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計画通り?スマイルと友人となって以降、会話や一緒にいる機会は急速に増え、ふと口元が緩むところを見ないわけではないがやはり”スマイル”と聞いて想像するスマイリーフェイスのようなそれとは違う気がした。
…
「…りやん?きりやん!」
「え?」
意識していたわけではないが、視線を落としていた弁当箱から顔を上げると心配そうにシャークんが俺を見つめている。
あれからBroooock、シャークん、スマイル、俺の四人で昼食を取るのがルーティンになっていた。時折、Nakamuがクラスメイトを連れてやってくるが。
状況が分からず、自然と瞬きは増え、考えていたスマイルのことをチラチラと見てしまう。
今、話題の中心にいるらしい俺に目線は集まっており、スマイルと瞬間的だが見つめ合った。相変わらず読みづらい表情だが、少し怪訝な顔をしている気がした。
「きりやんなんか最近、ボーっとしてること多くない?大丈夫?」
「もしかして〜恋だったりー?」
「ここ男子校だろ…ごめん、考え事してた」
「…」
Broooockは俺の悩みの種を知っておきながらふざけているのだろう。しかし、一度そう思ってしまうとスマイルの無言が痛い。
「ま、あんまり考えすぎんなよ。Broooock、そろそろ戻ろ」
「は〜い」
二人がのそのそと席を戻し、去っていく。残された俺とスマイルの間には先ほどの目配せの気まずさがあった。
「…きりやんさ、あんま俺のことよく思ってないよね」
「え、いや」
スマイルにいきなり問い詰められて閉口してしまう。正直、図星なのかもしれない。俺も俺の中のスマイルって何なのかもう分からない。
「俺の方ばっかチラチラ見てきてさぁ、言えよ。言いたいことがあるなら」
「俺、は…」
どうしてこう余計に考えて常に最悪の事態を想定して怖がってしまうのか。もう素直に聞いてしまおう。そしたらこの悩みとも気まずい空気感ともおさらばできる。単純なことじゃないか。
「スマイルの笑ってるところが見たくて」
「ハァ?」
…!?!?違うッ!!!!!!
日頃、Broooockに「聞けばいいじゃん〜」と言われるたびに知的探究心が〜なんて講釈垂れていたせいで同じように言ってしまった!!
「いやスマイルって気難しいイメージあるし俺たちはまだ友達になったばかりだしどうしたらスマイルともっと仲良くなれるかって考えたらやっぱり笑わせることなんじゃないかって…」
「きしょ」
訂正しようにも、勝手に口は言い訳に饒舌になってしまっている。そして、案の定ドン引きされている。
「ごめん…」
「何言ってんだお前w」
そう言ったスマイルは呆れつつも、笑っていた。
…もっと笑ってほしい。
「よく思ってないとかじゃなくてもっと一緒の時間が必要なだけなんだって。だから、今度暇だったらどっか遊びに行ってほしいんだけど…」
「なんでそうなるんだよ…別にいいけど…」
納得はしていなさそうだったが、俺がスマイルに特別悪い印象を抱いていないということを理解して二人で出掛けることを了承してくれた。
…
「こ、これ観んの…?」
「何でもいいって言っただろ」
スマイルに行きたいところはないかと問い詰めてやっと引き出したのは上映中のサイコホラー映画で、貰ったフライヤーのキージュアルだけで観る気が失せるようなものだった。
…
「…ヤバすぎだろ」
終始、目を背けたくなるようなグロテスクな描写でオチも救いようが無く、その手のジャンルに求めるものとしては最高の出来映えだった。
「スマイルもなんか感想」
「エァ、演、出がすごかったですね…?」
「内容に関しては?」
「俺あんまこういう感想言うの得意じゃないんだよね」
「えぇ…?」
「まあ、面白かったです」
強引に聞き出して引き連れたのは俺なので文句は言えない。不器用だがスマイルは映画を観れたことに満足したようだった。
俺も普通に映画は面白かったし、スマイルがそうならそれで良い気がした。
…
映画も観終わって、炭酸飲料で腹は膨れてはいるが元々その予定だったので一緒に飯も食う。普段の昼食も共にしてはいるが、二人きりというのは初めてだ。
スマイルが肉が食いたいと言ったので、ハンバーグやステーキのチェーンにやって来た。
…あの映画の後に肉が食いたいとかどんな神経してんだ、コイツ。
「ん〜美味しい!!」
でもまあ実際食べてみると何でも美味い。
スマイルも美味しく食べているかどうか確認すると、もちゃもちゃとしっかり咀嚼し味わっているようだった。多分、相当美味しかったんだろう。なんだか小動物みたいだ。
「きりやん、これ食ってくんね?」
「は?」
「好きじゃないんだよね」
「子供かよ”ッ!なんで頼んだんだよ!」
「いや勝手について来たから」
そう言って付け合わせを手で俺の方に押し出してくる。
「まあ、食うけどさァ…」
「ありがとう」
ガキみたいだと小突きつつも、なんやかんやで従ってしまう自分の性質が憎い…
…
目的も果たして駅の方へ足を運び、解散する空気が流れていた。
結局、スマイルの笑った顔は見れなかった。
「今日は、楽しかったね」
二人での話題のレパートリーも尽きて来て、本日の総括に進めてしまう。
「楽しかったけどさァ、きりやんは満足なの?」
「え?」
「俺、笑ってた?」
「い、いや…」
「当初の目的はそれでしょ、
笑わせてよ」
動揺して立ち止まると、整った顔が正面から迫ってくる。
「む、無理だよ…お前滅多に笑わないし」
縮こまって、変に額に汗をかいて、気圧されてしまう。また、スマイルのことを考えて情けない顔をしてしまっている。
「…ははっ」
「え?」
スマイルが笑っている。
「お前なんでそんなになるんだよ」
「そ、そんなんて…?」
「お前コミュ症な訳でもないだろ、やっぱ俺と合ってないんじゃねぇの」
「い、いや…」
ほんの一瞬だったが目に飛び込んできたスマイルは、確実に俺が、俺が作った笑顔だった。
元から小綺麗な顔をしていると思っていたが、ぶっきらぼうで、いじわるで、彼の少し下手な笑い方はなんだか、愛らしかった。
「お、俺は好き、だよ、スマイルのこと…!」
気づけば、俺を責め立てて来ていたはずの彼の肩に俺が手を置き、言い寄っていた。
「…やっぱ変だな、お前」
「いや、お前の方が映画の感想言えないしあんな映画の後に肉食いたがるしこの歳で好き嫌いは多いしよっぽど変だったんだけど!」
口ではそう言うが目をそらしている目先の彼が、愛おしくて仕方がなく感じた。
そんな俺がよほど可笑しいようで、彼は口元に雑に手を持って来て上がった口角を隠している。
見せてほしくて、手首を掴んで引き寄せる。
…あぁ、この笑顔。誰にも譲りたくないな。
「満足か?これで」
「うん…分かった気がする」
「何が」
…
あれから呪縛のようだったスマイルに対しての俺の態度は治った。
…こだわりが強くて変人なスマイルに振り回されて、それを甘受することは増えたが。
「ねぇ〜いい加減そろそろ聞かないの?」
「そうか、もう答え合わせでいっか」
「えぇ〜なにそれ?」
…
「スマイルって何でスマイルなの?」
「なんか前にも聞かれたことあったな」
「結局教えてくれなかったじゃん」
「別にそんな面白くはないけど…」
…
ついに由来を知ることができた。案外シンプルな理由で肩透かしだったが、今思えばあの時すんなりと教えてくれなかったのは彼の長考癖のせいだろうと納得できる。
…でもそれはあの時見た俺だけの笑顔より模範解答でない気がした。
本家に準えるなら俺の中でスマイルはあの時、笑ってくれたから、なのかもしれない。
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タイトル、歌から取ってるんですが要素はまるでないです。ただ好きな歌宣伝。