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あまりにも無地で安っぽい家具にこのツボは、花が咲いたみたいにそこだけ空間に色が付いた、しかし疲れて帰ってきた俊哉はそれがお気に召さない様だった
「無地のすっきりした部屋に、この花瓶はゴージャス過ぎないかい?」
と彼は言った
「安っぽい家具にこの派手な花瓶が、これから流行ると思うわ本当ならこの花瓶に合わせたカーテンも欲しいんだけど、あんまり贅沢を言える身分じゃないし・・・・ 」
私は答えた
「なぁ・・・・君が少しお義父さんの機嫌を取ったらいいんじゃないかな?君のお義父さんは、京都の駅前にもマンションを持ってるって言ってたじゃないか、それか新築を建ててもらうか」
私は憤慨して言った
「絶対いやよ!父に頼るなんて!この部屋が気に入ってるの」
俊哉は私がこの家を快適にしようとすればするほど、気に入らないみたいだった
中流階級の生活も悪くはないと、いくら私が思っていても、彼の方はそれで私が本当に幸せになれるのかどうか心配なようだ
「絶対私は幸せになれるわよ、あなたがいるもの」
私は微笑んで言った
私の生活環境が変わったことに、大きな影響を受けているのは私ではなく、俊哉の方なのではないかと思うことがたびたびあった
「君に贅沢をさせてやれないのが悔しい」
と彼はよく口に出した
「私は本当に満足してるから」といくら彼をなだめても彼は終始不機嫌で、自分がこんなに気にしてるんだから君も気にするべきだと言って怒りを募らせた
しかし彼の機嫌が収まると、二人のとても幸せな甘い時間が訪れる
初めて彼に処女をささげた時の事をよく覚えている