『 』
「なかは案外綺麗だね」
「ソウダネ、誰カサンノ館トハ大違ィ」
「なんか言ったかー?!!」
自分とみどりの間にらっだぁが割り込んでくる。
「らっだぁ、ここに居るって言ったけど何処にいるの?今のとこ見当たらないんだけど。」
「んーもう分かるはず何だけど…あ?ラミン分かった?」
クルリと一回転をしてラミンは地面を叩いている。
「地下?オッケー!」
そう言うとらっだぁは手を振り上げるとどんっと大きな音が鳴る。
「ちょっ力すご…」
そんなことを言ってるといつの間にか大きな穴が開いていた。
「派手にやってんね~?!!!!!!」
穴に頭を突っ込んだと思えば大声でそう叫ぶ。
「誰や?お前ら、しかも何処からきた?」
天井から飛び込んできた三人組に問いかける。
「別に殺そうとかは思ってないよ。俺らはお前達を勧誘しにきた!」
ナイフを三人組に向ける。
紅蓮華色の髪の人物も睨み続けている。
「安心して、俺らもお前達と同じ人外だから。ここはそんなキリキリとしないで話し合おうよ」
少しずつ青色のニット帽を被った男が近付いてくる。
「調子に乗るなよ。雑魚が」
向けていたナイフを投げつける。
グサッ
鈍い音が鳴った。すると青色のニット帽を被った男は倒れる。
一人目っと
ポケットからナイフを三つ取り出し残りの奴らに投げ付けた。
つもりだった。
何か冷たいものが首に当たる。その事で全てが分かった。
「びっくりするじゃん。急に投げちゃ」
「はっお前もな」
「ねぇそれ殺すの?殺すなら他の所でやってよ」
床に着地をして黄色いパーカーを着た男を指差す。
「ん?殺さないよ~。ただ話をしたいだけ」
黄色いパーカーを着た男の首に構えていたナイフをスルリと滑らし手品の様に手の中で消えていった。
「あっそ、なら早くここから出てって。ここは俺のなんだから」
玄関扉を開き帰るように促す。
「んー断る!」
「へ?」
アイツは何をやっているんだろうか。
なんか考えるのも馬鹿らしくなってくる。
「んー俺らはどうする?何かあっちは取り込み中だし」
「ツマンナイ、アッチ行コ」
みどりが自分の手を小さな手で引っ張る。
この館は広く掃除も隅々まで行き届いている。
らっだぁの所とは大違いだ。
「本当に綺麗な所だね~」
「ダネ、アソコ入ロ」
ゆらゆらと体を浮かしみどりが部屋に入って行く。
焦げ茶色の扉にドアノブは金色に輝いている。
中に入ると大きな絵画が飾れていた。
他には特に何も無く置かれているのは扉の横に雑に置かれた箱ぐらいだった。
窓が開いているのか冷たい風が流れるのが分かる。
「これは見たことない絵画だ」
その絵画は天使と悪魔同士が背を向けそれぞれ何かに手を伸ばしている。
そのタイトルは『光を我らに』
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