ホソク

ご飯を食べた後

お皿を片付けていると

🐨「ホソガ、先にお風呂入る？」

と聞かれたので

🦄「どっちでも良いよ？」

と言うと

🐨「じゃあ、疲れてるだろうし、先に入りな」

微笑みながら言われて

何故か胸がキュッとした

これがどういう意味なのか気になったけど

僕は

「ありがとう」

と言って

教えられた

お風呂場に行った

脱衣所で服を脱いで

お風呂場のドアを開けると

やっぱり

家のサイズの通り

お風呂のサイズも大きかった

僕は

今まで水の中につけられてきたから

横の段？の上に乗ってる

“シャンプー”と書かれた物体が

何に使われる物なのか

理解するのに時間がかかった

何となくで読んでみると

おそらく

頭を洗う石鹸だろうな

という結論になった

やっと理解できたから

早速

頭を洗おうと思って

置かれていた椅子に座ると

前に鏡があった

そこには

普通に”見える”青年が居た

僕はこんな風に見えるのか

でも

力を入れると

たちまち、先程までの姿と打って変わって

肉食動物みたいな

手

耳

尻尾

が出てきて

化け物になった

僕は見ていられなくて

力を入れるのをやめた

もう一度

鏡を見ると

鎖骨から肩にかけて

数字が刻まれている

“0094”

僕の実験台番号だ

この数字は

何をしても消えないだろう

僕が人体実験の実験台という事の

動かぬ証拠だ

この数字と

あの化け物のような姿は

絶対に

ナムジュナに見られてはいけない

嫌われるだけでなく

またあそこに閉じ込められるだろう

僕は鏡に映っている自分に

言い聞かせた

「お前は、普通の人間じゃない」

「普通の人間にはなれない」

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