前回の監督生が書いた小説
あぁ、朝だ。また、朝が来た。学校に行かなければならない。学校なんて、なければいいのに、朝なんて、来なければいいのに、そしたら、君は、、、君はッ!!
生きていたかもしれないのにッ!!
数ヶ月前。僕はこの学校に入学してきた。最初は楽しかった。とても仲のいい友達もできたし、クラスのみんなも優しいから、とても充実した毎日だった。そう思っていた。
僕が、『あれ』を見る前までは・・・・・・
「咲ちゃーん!!」
僕のことをそう呼びながら走ってくるのは、僕のとても仲のいい友達、大智。僕らは親友と言っていいほど仲がいい。いつも一緒にいる。
「次の授業、体育だよ!一緒に行こっ!」
人懐っこくて可愛い。そんな感じの人だ。
「うん、行こうか!」
そんな明るい大智には悩みなんてないと思っていた。
けど────────
「大智思ったより遅いなー、?委員会長引くって言ってたけど、、、」
僕はその日、大智を驚かせたくて、ずっと待っていた。
「探してみるかー、」
『先に帰ってて』と言われていたけど、待っていた。でも、さすがに遅いから探しに行くことにした。
キョロキョロ
「、、、どこだろ、、、」
色んなところを見て回ったけど、なかなか見つからなかった。そろそろ帰ろうかと思っていた時、
物音、、、と、声がした。その声の方まで行ってみると、そこには大智がいた。ほかの男子生徒とともに、、、その光景を見た途端、僕は足がくすんだ。動けない。怖い。そこでは────────
大智がほかの男子生徒に虐められていたのだ。殴られ、蹴られ、カッターで腕を傷つけられていた。僕は怖かった。大智を助ける余裕なんてなかった。足が震えて、まともに立っていられないくらいに。そして、目が合った。大智と。その瞬間、僕は逃げてしまった。僕はあんな風になりたくない。そう思ってしまった。逃げて、逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて。気づいたら、家の前だった。僕は家の中に入り、部屋へ入った。そのまま布団に潜り込み、丸まって、何も思い出さないようにしようとした。あれは夢だ。悪い夢だ。もうすぐ覚める。悪夢から覚める。夢だ。夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だっ!!
目が覚めた。朝になっていた。あぁ、あれは夢だったのだ。悪い夢だったのだ、と安堵した。そして、何事も無かったかのように学校へ行った。教室に入り、大智がどこにいるのか探した。昨日のことは夢だと思いたかったのだ。だが、探しても、大智はいない。
HRが終わっても、給食の時間が終わっても、今日は一日中、大智は来なかった。僕は家に帰った。そして、なりやまない電話をとり、絶望した。
悔しかった。悲しかった。情けなかった。僕を責めたてたい。僕が助けることは出来たはずなのに。僕が悪い。僕が悪い。僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕が悪い僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい僕のせい。そのまま僕は、意識が途絶えた。
『大智が自殺したの』
朝になった。大智がいない。学校へ行った。大智がいない。上履きに画鋲が入ってた。大智がいない。教室を見渡した。大智がいない。席に着いた。大智がいない。机に、、、『死ね』『学校来んな』『気持ち悪い』『バカ』、、、落書きがされていた。大智がいない。僕の荷物が少し無くなった。大智がいない。放課後呼び出された。大智がいない。蹴られたり殴られたり、カッターで傷つけられたりした。大智がいない。家に帰った。大智がいない。寝た。朝になった。それでも、大智はいなかった。
「夢じゃない、、、ッ」
夢であって欲しかった。夢じゃないと分かっていたけど認めたくなかった。学校へ行ったら会えるかと思った。一緒にご飯を食べられると思った。けど、いない。隣にいたはずの大智がいない。どうして、どうして相談してくれなかったの、、、?力になったのにッ、、、
『どうやって?』
寄り添ってあげたり、止めたり
『助けてくれなかったのに?』
────え?
『僕が虐められてても助けてくれなかったのにどうやって力になるの?』
そ、それはッ
『エゴじゃん。自分が楽になりたいだけ。無理だよ。咲楽 には』
違うっ!!大智はそんな事言わないっ!!咲楽なんて呼ばないっ!!そんなの大智じゃない!!
『大智だよ。咲ちゃんのせいで自殺したんだ。』
違う違うちがうぅっ!!僕のせいじゃなっ!!僕のせいじゃ、、、僕の、、、せい、、、?僕のせいなの?やっぱり僕のせいで大智は、、、ッごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいッ!!
『謝れば済むと思ってるの?』
ごめんなさいッ!!もうしないからっ!今度は助けるからっ!だからっ!
『僕はもう死んでるんだよ?戻って来れないんだ。』
────ぁ、、、
「ねぇ、聞いた?428号室の患者、まだ目が覚めないんだって。」
「聞いた聞いた!!もう、5年も眠っているそうよ」
「だけど生きてはいるって、」
「怖ーっ」
「あんな患者、初めてよ。」
「「「美希さん!!」」」
「長く務めてる美希さんでも初めてなんですか?」
「えぇ、それにあの子の原因はなんでも、夢を見てうなされてるのと同じだって言うのよ、、、」
「夢、、、?」
「そう、だから、対処の仕様がないらしいの。」
「起きるまで待つしかないってことですか?」
「そういうことになるわね、こちらとしては、患者の容態も気になるし、早く目が覚めて欲しいけどね。」
「ですね、、、」
大智、ごめんね。
僕が、、、私が女の子じゃなければ、男の子だったら助けられたかもしれなかったのに。
私が男の子の格好なんてするから。
勇気があれば、大智は死ななかったのかもしれなかったのに、、、
ごめん。ごめんね。大智。
「大好きだったよ────────」
ピーーーーーーーーーーーー
コメント
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っと〜、神、です、か、?