【神様になった?狐,2】
【狐の兄姉弟の里巡り】
※最近は狐さんネタを連続で出す可能性があります
※今日の狐→◯◯家の人※誰か当ててみてくださいなのです
(しれっととある人出しますかもです、ご本人に→すいません!かってなサプライズ?をして)←日本語が可笑しい
今日の場合、容姿は人間(ケモ耳尻尾がついている)状態からスタートです、ちなみに尻尾は九つ、九尾の狐です、!
※カプというよりも里巡りが中心
智が山を降り嫁入りしたと云う情報は、山の狐達の噂になっていた
「いいな~、変化の術とか憧れる」
[いや無理だよ、あの術は選ばれた狐しかできないんだしさ]
どうやらあそこに居る子狐達も、その話題で盛り上がっているようです
兄らしき白狐(びゃっこ)は、みたところ変化の術で人間になることが憧れのようで
それに対し弟らしき黒狐(くろぎつね)の子は、変化は選ばれた狐にしかできないことと諦めている様子
「え~、でも楽しそうだよ?」
[それでも、母さまも云っただろ?人間は危ないから近づくなって]
「でも〜っ」
少し口論になりかけている様子の2人、そこにまた1人、珍しい青と白の冬色の子がやってきた
『賑やかそうだけれど、2人共どうかしたの?』
その子はとても不思議そうに2人に尋ねました
[あ!姉さん、聞いてよ!兄さんが人に変化したいとか云うんだよ!ダメだよね?]
「ちょっとぐらいいいじゃ~ん!ね?いいでしょ?」
2人はその子に詰めるように質問した
『変化って、最近噂になってる狐さんのお話しのこと?、』
なにか察したのか、その子ピンとした耳を傾けながら質問をする
[そーだよ、兄さんったらすっかりその話ばっかりで、こっちの身にもなってほしくいょ..]
黒狐の子が云い切るまえに白狐の子は云いました
「ね?君も一緒に里におりたくない?僕は行きたいんだけどさ~」
アオ狐の女の子に提案を持ちかけてきました
『でも、お母さん達にも云われているし…』
[ほらね!やっぱりダメだよ、決まりじゃんか!]
黒狐の子は勝ち誇ったそ様子でにこにこし始めた
「大丈夫!日暮までに戻れば怒られないって決まりもあるじゃん、それに僕達守神じゃん、人との交流も大事だよ」
それでも白狐の子はアオ狐の子を説得しようと案を出す
『じゃあ、今日だけは里に降りれることにしようかな、お母さん達もきっといいって云ってくれるよね』
アオ狐の子が頷いたことに驚いたのか、黒狐の子ははっとした表情で2人を見つめた
[いやいやいや、守神が神棚から離れるって何?!ダメでしょ!]
そしてまだ認めていないのか、やめた方がいいと2人に云い放つ
「んー…じゃあ僕たちは里巡り、キミは神棚を任せるのはどぅ」
[それは嫌だ]
白狐の子の意見に黒狐の子は断固拒否であった
「じゃあ結局どうするの〜?」
白狐の子は問いかけます
[だ、だってぇ…]
黒狐の子が不安そうにモジモジしていると、アオ狐の子がこういいました
『神社のことで不安になるのも分かるけれど、たまにはお兄ちゃんの云う通り、人との交流もいいんじゃないかな?』
アオ狐の子がふんわりとした笑顔でそう云うと、黒狐の子は耳をシュンと垂れさせた
[わかったよ、姉さんも云うなら仕方ないな]
そういうと黒狐の子は近くにあった紅葉の葉を採りぎゅっと手に力を込めた
それを不思議そうに2人は見つめた
そして黒狐の子が何かを唱え、その葉を自身と2人よ頭に乗せた
その次の瞬間、ポンと音を立てて煙が出た
『きゃっ、!』
「何これっ!」
2人は少し驚いていたが、すぐに煙は晴れ視界が一気に明るくなった
[はい、これが変化。着物も変えたし耳と尻尾も妖術で隠したよ、でも興奮が高まると変化が緩むから気をつけてよ?]
黒狐の子が変化の術で2人を人に化かしたのである
そして2人は互いを確認しあった
『凄いっ!本当に人になってるっ』
アオ狐の子がぱっと笑うと白狐の子嬉しそうに笑った
「本当だ!耳も尻尾も隠れてる、すごく人らしくなってる〜」
黒狐の子をおいて2人はきゃっきゃとはしゃいでいた
[(あー、2人が可愛い過ぎて目が潰れそ)]
と考えるほどに空気も和んだのであった
山を降り、人里に降りてきた3人。麓近くになる村には沢山の人達が住んでいた
「凄〜い、賑わってるね〜!」
白狐は関心に浸りながら2人の前を歩いた
2人は後ろで兄の背を眺めた
『お兄ちゃん楽しそうだね、』
[そうだね、たまに少しうるさく感じるけど…]
のんびりと会話をしながら村の中を眺める3人
[(ま、来てよかったのかもなぁ…)]
そして3人でのびのびと自由に歩いていると、小さなかんざし屋の前に来た
そこには沢山のかんざしや髪飾り、クシなどが売られていた
『わぁ、綺麗な髪飾り』
その中でも、アオ狐の子はある髪飾りに目を止めた
それはとても細かな作りをした花の髪飾りだった、椿のような造形をしているが、藍色も近いとても澄んだ色をしていた
[本当だ、綺麗な色だね、とっても可愛いらしい]
髪飾りを眺める2人を兄は見つめていた
「楽しそうだね〜、やっぱり人里に降りるのもいいね」
とニコニコしている
そして3人でかんざし屋で止まっていると、そこの店主が出てきてこういった
“お嬢さんら、みない顔だね。何処の子らかい?”
と質問された
『少し村に用事で、隣村から来ました』
と姉が云うと、店主は穏やかに答えた
“そうかい、わざわざ遠いところからご苦労なこった、ゆっくりしておいき”
そういうと店主は店へと戻って行った
夜 今日はどうやら夏祭りもあるようで、近くの河原で花火をあげるらしい
「今日来てよかった〜!去年は山からだったし、楽しみだね〜」
兄は相変わらずはしゃいでいる、
『お兄ちゃんが楽しそうでよかった、私も楽しみ』
姉も一緒になって河原の近くの木陰に座っていた
[本当、仲のいい人達だなぁ、しかも元気だこと…]
弟はと云うと、少し疲れ気味になってはいるが同じく楽しそうだ
そして花火が上がる時間になった
空には沢山の花火が上がり、色とりどりの光で辺りを照らした
「た〜まや〜っ」
兄は近くの人達の云っていた掛け声を真似して叫んだが、その時には最初の花火は散っていて
思わず2人笑いそうになった
「あれ?花火散った?…たーまやーー」
またも上がるが、タイミングがズレる
『もうお兄ちゃんたら、ずっとズレてるっ』
姉の笑顔が花火の光で照る、いつも眩しい笑顔が、さらに明るく感じる
[ねえ、姉さん見てて]
『?、どうしたの?』
弟は近くに咲いた小さな青い花を一つ優しく取ると、包むように優しく握った
今度は煙ではなく、小さな光の粒で包まれるように光り、小さな花火のように弾けた
そして手をはなすと、そこにはあの髪飾りと似たものがあった
『え これ、あの時の髪飾り?』
[ちょっと真似して作ってみたんだ、姉さんに似合うと思って]
そしてそっと姉の髪にそれをつける
[今日は、来てよかったね…]
照れくさそうに笑いながら花火を眺め、兄弟/姉弟ならんで花火を眺めた
兄はまだ、花火に向かって叫びながらとんだりしていたが、
そんな3人の影は狐の変化も関係なくくっきりと、尾の影と耳が見えていた
終わり
コメント
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三兄弟可愛い...
狐の子たちみんなかわいい!読んでるだけで毛並の柔らかさや美しさがわかるな〜✨みんなの細やかな心の動きや感情が繊細に伝わったよ! 黒狐さん優しい…感動で少し涙でちゃった✨