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….覚えてるよな?(作者が不安になっただけです。ハイ。)


そうやって来る日も来る日も屋上の扉を開けては、声をかける。

「やめろよ」と、


紅茶の香りがする彼は言う、苗字への恨み言を

「一度やり直す為にここに来たんです

と、心がすり減って笑う事しか出来なくなった顔で言う。

「そうは言っても、家系など気にせず居てくれる仲間がもういるだろう?

「ただ利用されてる訳ではないだろう…?

「っ…!

「帰るといい。…ここに君の居場所はない。


白マスクの子は語る、クラスでの裏切りを

「ずっと味方だと思ってた。でもそんなものはなかった。

「初めから決まってた下らない寸劇だった

諦めたように言う彼の眼には光が宿っていない。

俺は顔を不機嫌にしかめながら反論をする。だって、

「ふざけんな!クラスがなんだ!集団がなんだ!そんなものただの人間の寄せ集めでしかない!

「お前は、もう信用できる奴が居るだろう!すぐそばに!

はっとなって口を止める。見るとそいつの眼は涙の膜で覆われていた。

「…帰るといい。教師だってそんなに馬鹿ではないだろう。


緑パーカーの先客、何度聞いた話だろう。

「失敗が怖くなった。そしたら何も出来なくなった。

「こんな自分なんかに生きる価値なんてないんや

まだ何か言いたそうだが言葉にならず、ただ黙る。重い前髪とパーカーのフードで表情は見えない。

ああ、きっとこいつは周りから信用されて生きてきたんだな。俺なんかと違って、

「….生きる価値がない、か..別に君の意志を否定する気はない。

「ないが、私には死にたくもなさそうに見える。あるんじゃないのか?失敗しても許される居場所が

「俺…、俺…いても、いいんかな?

幼い子供が縋るように恐る恐る聞いてくる。

「その答えを知っているのは私ではない。帰るといい、君の居場所へ


少なくともたったこれだけの奴らが俺の先を逝くのは可笑しいだろう。来る日も来る日も問答無用で追い返した。

…私自身の痛みは誰にも言えないまま


何人目かに会ったんだ、青空が広がる屋上で

黄色いカーディガンと金髪の男の子

「家に帰るたび増え続ける痣をな

「消し去ってしまうため。ここに来たんや

と言った。

その二言で全て理解した。夏でも長袖を着る”コネシマ”と”シャオロン”を。


口をついて出ただけだ、ホントはどうでも良かった。


思ってもいないことだ、だから何だというのだ。


でも、それでも…声をかけずにはいられなかった。

「なあ、やめ…てや

「何でや

無機質な水色の硝子玉が真っ直ぐにこちらを見てくる。そこには何一つとして感情がのっていない。

「もう…無理なんよ、耐えられへん..

普段からは想像もつかないほど目に光がないシャオロン。極度のストレス状態からか顔はぎこちない笑みを貼り付けている。

ああ、どうしよう。手に取るように分かってしまう。

この二人は止められない。私には止める資格が無い。でも、それでも…

「ここからは消えてくれよ..

「お前らを見てると苦しいんだ。

たった一言二言の、会話と呼ぶにも怪しい言葉の吐き出しあい。しかし3人にはそれだけで十分だった。

”苦しい”と言葉を吐き出す彼の表情は苦痛と哀しみしか浮かび上がってこない

そんな彼に少し思うところでもあったのだろうか。

「…じゃあ今日はやめておくわ、シャオロン行くで、…戻ろう

そう言って目を伏せたまま出て行った。

「…今日も似合わないな

屋上からは誰もいなくなった


さあ今日こそは誰もいない。


私一人だけだ、


誰にも邪魔されない…邪魔してはくれない


ああ、でも気分がいい。待ち望んでいた瞬間だ


上着は脱いで、眼鏡を掛け直して、少しの笑みをたたえた俺は、





















今から 飛びます。


「え…”グルッペン”!?

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