⚠️注意書き⚠️
・not監督生
・イデア×男夢主(?)
・えちえちはありません。そもそも作者が書けません。
・妄想です。
・男夢主の名前はユウです。
・続きます。
・誰の地雷にも配慮してません。
・ネタバレ要素あり。
・この回で描かれるイデア君達はまだエレメンタリースクールくらいです。
ーーああ、いつも通りだーー
イデアは自分をジロジロと見てくる視線に俯いた。
『呪われたシュラウド家の跡継ぎ』『燃える蒼い炎』
イデアは人が沢山いるところは嫌いだった。
貴族がこうして集まる舞踏会。そこに行くたびに、沢山の視線にさらされる。
見られる度に、何か囁かれる度にイデアは心臓がキュッとするのだ。
母さんと父さんが他の人と話している隙に、イデアはそっと会場を抜け出した。
誰にも見られたくないし、目立ちたくなかったのだ。
しかし、それをイデアはすぐに後悔した。
「へー、何?コイツがあのシュラウド家の?」
「ひょれ〜!弱そー!」
「てか何この髪!キモッwww」
ギャハハ、と見た目にそぐわない下品な笑い声で少年達は笑った。
「つまんねーなぁ。なんか言えよ〜」
「いやいや、無理っしょw」
「エ、あ、あの、」
「え〜?なんて言ったのぉ〜?ww」
「聞こえねーよww」
自分を嘲笑する笑い声を聞き、イデアは拳をギュウと握り締めた。
泣かない。絶対泣かないぞと。
だが、その時自分の目の前に誰かが立った。
「やめて下さい。何をしているんですか」
やけにハッキリとした声だった。
「は?何、お前…」
「何だよチビ。テメーにはカンケーねーだろーが」
自分を嘲笑していた少年の中でも一際大きな少年が前に出た。
「おい、どけよ。それとも、お前もコイツのお仲間になりてーっつーワケ?」
「アハハ!お似合いだぜ!」
「……。」
笑い声が響く中、彼は先程から黙ったままだ。
「ほらほら、早くどかねーと殴っちまうぞ?」
ヘラヘラ笑いながら、少年が拳を振り上げた、時。
「ちょっと、待って」
イデアが彼を押しのけ、前に出た。
「この人は、関係、ないでしょ」
イデアは、途切れ途切れの言葉で言った。
自分の為なんかに、やめてと言ってくれるこの人を、巻き込みたくなかった。
それだけ。
「フン!ンだよ、ダッセーな。あまりの優しさに涙が出そうだぜ」
そんなイデアに対し、少年は言う。
「じゃあ、テメーが殴られな!」
拳が迫る。イデアは目を閉じた、その瞬間。
「やめろと言う言葉が聞こえないのでしょうか」
ゴッ、と大きな音と共に、少年は地面に背中を打ち付けた。
ゲホッ、と少年は目を見開く。
痛そうだな、とイデアは思った。
彼は冷めた目で少年達を見回すと、言った。
「人を馬鹿するくらいなら、自分を見直しやがれ。愚か者が」
先程までイデアを馬鹿にしていた少年達はブルリと顔を真っ青にして震え上がると、身を翻して走っていった。
そんな少年達には目もくれず、彼はイデアの顔を覗き込んだ。
「お怪我はありませんか?」
その時初めてイデアは少年の顔を見た。
真っ赤な炎を連想させる真紅の瞳に対し、少し控えめなキャラメル色の髪。
一見すると柔らかな印象を与える、整った顔だった。
「あの、ありがとう。助けて、くれて」
イデアが言った言葉に対し彼はにっこりと笑う。
「ふふ、そんなに緊張しないで。取って食ったりなどしませんから。僕は、ユウと言います。貴方は?」
それを聞いて、イデアの顔が引き攣った。
この人も自分に取り入ろうとする気なのか、と。
「あ、あのさ、僕と仲良くしても、何もいい事、ないよ。」
唐突にそう言ったイデアに対して、ユウはひどく不思議そうな顔をした。
「どういう事ですか?」
「だ、だって、君が、そうやって名前を聞いて…」
ああ、なんと言えばいいのか。
イデアはムズムズした気持ちになった。
言いたいことがうまく表現できない。
すると、ユウはイデアの肩にソッと手を添えた。
「大丈夫。僕はちゃんと聞いていますよ」
イデアは、その言葉に僅かに安堵した。
「ぼ、僕、イデア・シュラウドっていうんだ」
「ええ」
「…怖く、ないの?」
イデアはドキドキしながらユウに問いかけた。
「おや。何故です?」
「だ、だって。あの、呪われたシュラウド家だよ?髪だって、燃えてる。」
イデアは言いながら、泣きたい気持ちになった。
でも。
「何も怖くありませんよ」
「、え」
イデアはポカンとした。
「ど、どうして?なんで?」
イデアは思わず聞き返した。
「だって、イデアさんは僕たちと何ら変わりはないじゃないですか。髪の違いなど、些細な事です。
それに、僕を庇ってくれたでしょう。」
フワリと彼はイデアの手をとる。
彼は、笑っていた。
「だからこそ貴方は」
とても綺麗だ。
それを見て、聞いて、イデアは嬉しそうに笑った。
ありがとう、と
とても綺麗だ。
ユウが言った時、イデアはドキ、と心臓が高鳴るのを感じた。
「友達に、なってほしいんだ。」
ダメ、かな…
気づけばそう言っていて、イデアはアワアワとした。
いや、急に自分は何を言っているんだ?と。
これじゃあ、ただの変な男ではないか。
だからこそ、
「もちろん!」
と笑顔でユウに言われた時は驚いたものである。
だって、まさかそのような返事をもらえるとは思わなかったからだ。
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