テラーノベル
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naさん作の美味しそうなランチを皿に装っていると、ちょんと肘に他人の肌の温もりを感じた。けれどそれはすぐに離れていき、隣を見ると予想していた通り先日俺に告白をしてきた男が素知らぬ顔で同じようにおかずを装っている。
『まただ…』
あの日から一週間、俺たちの間で変わった事と言えば、urが隣に来ることが増えた事、ふとした時に偶然みたいなボディタッチが増えた事、俺と行動したがる事が増えた事、ぐらいだ。俺は改めてあの日のことを思い返す。
『俺のこと君を狙ってる危険な男だとせいぜい意識してくれ』
大胆不敵な言葉からは想像もつかないむず痒いアプローチに、身構えていたこちらもどうしたら良いのかよく分からん。いや、これから徐々に熱烈なアプローチが来るのか?俺これどうしたら良いんだ?意識させるのが目的なら成功してるよur。十分におかずをとって席に着くと後ろから「おっ、hrくんー」とsvさんの声が聞こえてきた。
「svさん!」
「お隣お邪魔するわよー」
「どうぞどうぞ」
いやーnaさんの料理いつも美味そうねーと言いながらsvさんが着席して、一緒にいただきますして食事を始める。あ、オムレツ美味しい。美味しいご飯に集中していたら、そういえば、とsvさんが呟いてポケットをごそごそ漁り取り出したのは2枚のチケットだった。
「?」
「hrくんもうマイクラの映画見た?チケットあるから一緒に行かない?その後行きたいって言ってたスイーツバイキングもどう?」
「おっ!良いね、etさんnaさんのお仕事ぶりを見に行くかぁ」
「行きましょ行きましょ」
「俺 も 行 く !」
突然背後から降ってきたデカい声に驚いて振り返るとそこにはurがトレイを持ち、むすっとした顔で俺達を見下ろしていた。
「ur…」
「あー、すまんurチケット2枚しか無いんだよ」
「俺はいいよ自腹で。だから俺も行く」
なら良いけど。2人とも空いてる日教えろよなー、じゃあな、と食事を平らげたsvさんが食器を持って席を立ち、替わりにurが隣に座ってきた。ちらっと隣の男の顔を盗み見るとばつの悪い顔をしていて呆れてしまう。ふいにこの前の仕返しがしたくなって俺はurのプレートからウインナーを奪って齧り付いてやった。
「俺を狙ってる?危険な男?だったっけ?」
「…うるせぇ、これからなんだよ!」
お前今に見てろよと唸るurを眺めて、イケメンは情けない姿でも様になるから良いよな。と思いながらデコピンをひとつお見舞いしてやった。
コメント
2件
危険な男のむず痒いアプローチ、ギャップ萌えです可愛すぎます!w hrくん落ちるのはまだ先かなぁ(*´꒳`*)♡ これがどうbiteに繋がるのか楽しみです!