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朝の光が窓から差し込む頃、少年はうつらうつらとしていた。
夢を見たわけではない。昨夜のこと、胸の中で消えない違和感が、まるで霧のように残っている。
「…アゼリア、起きて!!」
「…!?」
誰かに呼ばれる。
急いで瞼を開けると、枕元にセリスが立っていた。
「…もう朝?」
眠気で頭がぼんやりしている。
「 うん。訓練の時間だよ。」
セリスはベッドの端に腰掛け、手を伸ばして軽く肩を揺すった。
「起きなきゃ、遅刻するよ!!」
少年さ小さく息を吐き、体を起こす。
昨夜の疲れが残っているはずなのに、平静を装う。
「…わかった。」
寝ぼけた声で答える。
「もう起きる。」
セリアはスはにっこりと笑った。
「そういえば、悩事はもえ大丈夫なの…?」
少し心配そうに聞いた。
「うん。」
少年も笑顔を返す。
その笑顔は、昨夜の心の乱れを隠すためのものだった。
でも、セリスの前で振る舞うことで、少しだけ落ち着く自分にも気づいていた。
「朝ごはんは食堂で取っておいて。僕、行ってるから。」
そう言って、セリスは部屋を出て行った。
一人になった部屋で、少年は軽く肩を伸ばす。
胸の奥の重みは消えていない。
けれど――セリスの気遣いを思い出すだけで、ほんのわずかに前を向ける気がした。
「…行こう。」
剣を帯に差し、制服を整える。
まだ答えは出ない。
迷いは続く。 でも、今日もまた歩き出せる自分が、そこにいた。
「ーー彼に…サリエルに会い行きたい…。」
気がつくと、少年はそう呟いていた。