『アメーリャム大陸、
ヒッソリ地方で…』
フィル「ナンノ島から海をはさんで、
西の場所ですね。」・地図を見ている
ダイアン「本も入っているぞ。」・
宝箱の中から本を取り出した
語り手「フィルとダイアンは、
飛ばされることに慣れた。」
バイス「なんか、デカくね?」・周りの
山々を見ながら言った
ぷー吉「ふえ?」・隣の、バイスを見た
ダイアン「変な文字だな…。」・本を
ペラペラと、めくっている
フィル「ちょっと、見せてください。
」・地図をしまいながら、ダイアンに
言った
ダイアン「あいよ。」・フィルに
本を渡した
フィル「なるほど。クルポンですね。
」・本をめくっている
ダイアン「クルポン?」・フィルを
見ながら、首をかしげた
「ピョンピョン。」・犬たちは、
楽しそうに草原を走り回っている
フィル「別名。渦巻文字といって、
2千年くらい前に使われて
いた文字ですよ。」・ダイアンを見て
言った
ダイアン「ふーん。じゃあ、あの村と
関係があるのか?」・フィルを
見ながら、その方を指した
フィル「おそらく。」・うなずいた
語り手「フィルたちの居る小高い丘から
村が見える。」
バイス「おっ、村。」・村を見て、
走る方向を変えた
「ガシッ。」・ダイアンは、バイスを
持ち上げた
ダイアン「それで、内容の方は?」・
隣の、フィルを見た
フィル「えーと、ですね…。」・本を
読み始めた
本の内容(一部抜粋)「昔、ある村に、
ひとりの男が居た。男は、薪(まき)を
割ろうとして、オノを振り上げた。
すると、オノにカミナリが落ちた。男は
、オノを手ばなした。オノは帯電し、
黒いケムリのようなものが乗り移った。
半牛半人の魔物。ミノタウロスの
誕生である。ミノタウロスは、村で
大暴れ。しかし、クッキーを買いに来て
いた賢者が、ミノタウロスを封印。村に
平和が戻った。その後、残されたオノは
、ミノタウロス以外を寄せつけず、
魔除けとして庭に放置された。
おわり。」
ダイアン「後半の方、ちょっと、
おかしくなかったか?」・バイスを
抱いたまま言った
バイス「なぁ、村。」・ダイアンの顔を
見た
『ポイット村で…』
若い男「石柱に当てないよう、ぐるっと
迂回させてーと。」・ブーメランを
投げようとしている
「タッタッタッ。」
バイス「なんだ、これ?」・石柱の前に
来て見上げた
若い男「よっ。」・ブーメランを投げた
バイス「ほい。」・石柱を突いた
「ビシッ!」・石柱にヒビが入った
「ガッ!」・ブーメランも石柱に
当たった
「ガラガラ…。」石柱は、音を立てて
崩れ落ちた
若い男「・・・・・。」・ぼう然と
立ちつくした
フィル「こら。石柱を突かないの(怒)
。」・バイスをやんわりと叱った
ダイアン「そこの若い兄ちゃん。犬が
バカやって悪かった!!」・笑顔を
見せながら、若い男に手を振った
若い男「・・・・・。」・固まっている
中年の男「音がしたようなんだども、
何か、あっただか?」・太めのヒゲ面男
(以後、ヒゲ男)が、若い男のところに
来て言った
若い男「!?」・ヒゲ男を見た
ダイアン「これは、ここだな。」
フィル「そうすると、こうくるんじゃ
ないですかね。」
語り手「ダイアンとフィルは、
崩れた石柱を戻そうとしている。」
若い男「あの…。えと…。あいつらが
石柱を…。」・ヒゲ男を前にして、
しどろもどろになった
ヒゲ男「そうだか。」・ダイアンたちの
方を見た
若い男「・・・・・。」・
うつむいている
ヒゲ男「でも、ちょっと違うだぞ。
オレが見た感じだと、おめぇの
ブーメランがトドメを刺してただよ。
」・若い男に事実を言った
語り手「ヒゲ男は、一部始終を
見ていた。」
石柱を修復するダイアンたち「接着剤を
持ってないか?いえ、持ってないです。
ふあ。おっ、サンキュ。」
ヒゲ男「実はな。おめぇが正直に言うか
試しただ。」・若い男を見ている
若い男「・・・・・。」
ヒゲ男「石柱にラクガキをしたり、
周りに爆竹を投げたりしたからな。
で、この、ありさまだ。反省するだよ。
」・若い男をやんわりと叱った
ダイアン「ところで、ミノタウロスは、
どこに封印されているんだ?」・石を
積みながら、なんとなく、フィルに
訊いた
フィル「この下ですよ。」・石の上部に
接着剤をぬりながら答えた
ダイアン「えっ!ここ!?」・フィルと
石柱の残骸を見て、おどろいた
フィル「えぇ。この石柱が魔物を
封じているんです。」・石を積み上げた
バイス「ほい。」・石を適当に置いた
フィル「バイスくん。もう少し向きを
変えた方がいいと思うよ。」・バイスに
、やんわりと言った
バイス「そか。」・フィルを見た
ダイアン「いやいや、のん気に積んで
いる場合じゃねぇ!?ミノタウロスが
出てきちまうって(慌)!」・フィルに
言いながら立ち上がった
フィル「大丈夫ですよ。今は、
黄色い玉ですから。押し込めば、
なんとかなります。」・次に積む石を
選んでいる
ダイアン「だけどよ…(困惑)。」
フィル「それに、村の人たちは
冷静ですし、ぼくたちが慌てても
意味はありません。」・更に続けた
若い男「ぼくも、あの人たちと一緒に
石柱を直すよ。」・ヒゲ男に言った
ヒゲ男「それが、いいだ。」・
うなずいた
ダイアン「・・・・・。」
語り手「ダイアンは、ヒゲ男たちを
見ている。」
フィル「ぷー吉くん。そこの石を取って
くれる?」・ぷー吉に、お願いした
ぷー吉「ふあ。」・両前足で石を持った
黄色い玉「まったく。あんなところに、
ほうって逃げるから…(怒)。」・
上空を浮遊しながら、ぶつぶつと
言っている
バイス「なんだ?」・上空を見た
ダイアン「・・・・・。」・バイスに
、つられて顔を上げた
黄色い玉「まぁ、いい。外に
出られたことだし、オノのところへ
行くか。」・どこかへ飛んでった
ダイアン「おい兄ちゃん。!!すでに
出てる!!?」・大慌てで、フィルに
言った
フィル「えっ!?出てました?えーと、
えーと…。」・ダイアンを見てから、
本を開いた
語り手「フィルも大慌て(笑)。」
バイス「なぁ。なんで、
あわててるんだ?」・ダイアンたちの
ことをぷー吉に訊いた
ぷー吉「さっきの黄色い玉が、魔物に
なって大暴れ。」・バイスに答えた
バイス「行くぞ!」・りりしい顔つきで
走り出した
ヒゲ男「がんばるだよ。」・若い男の
肩に、そっと手を置いた
ダイアン「おーい!!黄色い玉が
飛んでったぞ!!」・ヒゲ男たちに
向かって叫んだ
ヒゲ男・若い男「!!?」・ダイアンの
方を見た
ヒゲ男「やばいだ!!早く村長に
知らせねぇと!!」・大慌てで
走り出した
若い男「ぼくも行く!」・ヒゲ男に
続いた
ダイアン「オレたちは、黄色い玉の
ところに…。」・走り出そうとした
フィル「待ってください!」・本を
見ながら、ダイアンを呼び止めた
ダイアン「なんだよ、兄ちゃん(困)
!?」・振り向いた
フィル「電動の泡立て器を使えば、再度
、黄色い玉にできる、とあります。念の
ため、用意した方が…。」・ダイアンを
見た
ダイアン「そんなもので、
どうやって玉にするんだ!?
相手は、ミノタウロスだぞ(怒)!!」
フィル「でも、そうとしか記されて
ないんです。文句があるなら、
この本に言ってください(不満)。」
ダイアン「・・・・・。」
バイス「だぁああああ!!!」・
もの凄い勢いで、ダイアンたちの方へ
走ってくる
ぷー吉「ふえ?」・毛づくろいを
やめて、声のする方を見た
バイス「なんで、だれも、来ねんだ
!!?」・ダイアンたちの前で
怒鳴り散らした
フィル「バイスくん!?まさか、
ひとりで行ったの(驚)!?」・
本を閉じながら、バイスに言った
バイス「・・・・・。」
語り手「バイスは、涙目で、フィルを
見ている。」
フィル「ごめんよ、バイスくん。
今度は、一緒に行こうね。」・バイスの
頭をなでた
バイス「うん…。」・うなずいた
ダイアン「なんだ、これ?」
語り手「ダイアンは、フィルとバイスの
、やりとりを見て立ちつくした。」
「ドン!ワァ、キャアッ!?」・
ごう音と共に悲鳴が聞こえる
ダイアン「!?兄ちゃん!!」・音の
した方を見てから、フィルに言った
フィル「はい!」・ダイアンを見て、
うなずいた
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