ごおごおと音をたてて炎が燃え盛る。
熱い。痛い。苦しい。怖い。
お母さんは?アリスは? 辺りを見渡すと、家はただ燃えていて炎と煙が舞っていた。「嘘……でしょ…」
アリスとお母さんを探そうとして立ち上がる。左足が痛い。火傷でズタズタになったようだ。でも早くしないと二人とも……。
私はもう全く動かない左足を引きずりながら歩く。
すると
尻もちをついて泣きじゃくっているアリスをみつけた。
「アリス!」私は思わず叫ぶ。すると煙が大量に肺に入り咳き込む。
それに伴い足も痛む。だがアリスの方が酷かった。
服はボロボロで右腕は燃えていて皮膚は爛れていた。
そしてアリスは私の方に向くと「お姉ちゃん!足、どうしたの!?」と泣きじゃくりながら私に聞いてきた。私は水と服の布でアリスの腕の炎を消し
「大丈夫!歩けるよ」と言うと私はアリスを抱え
「お母さん!!何処!?」と叫んだ。
だが足はもう限界だったみたいで思わずバランスを崩してしまう。私はアリスに覆い被さるように倒れてしまう。
「痛っ……」
アリスは泣きながら私に言う。ごめんねと謝りながら立ちあがりやっとの思いで窓から出る。
私はもう痛さしか残らない身体で一歩一歩歩く。
雨が振り始め、
私は路地裏の壁にアリスと寄りかかる。「ママ……お姉ちゃん……。怖いよぅ……」
アリスは泣きながら私に言う。
私はそんなアリスの頭を撫でながら安心させるように抱きしめた。
「大丈夫。私がいるから」と安心させようとするが、私は限界だった。
私の息も絶え絶えで意識を失うんじゃないかという時だった。
近くの廃墟となった建物の窓から私が見える。
廃んだ薄桃色のロングヘアにボロボロの服、赤黒く爛れ白い骨が見える足で幼女を抱きしめる少女の姿…。
私はアリスをもう一度ギュッと抱きしめもしかしたら永くなるかもしれない眠りについた。
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