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日本の真ん中。
東と西を結ぶこの地に立つ者は、
常に“調停者”であり、“門”だった。
閉ざす者、通す者―いま、ひとつの“国の境界”が、燃える。
富士川下流域______
雷鳴のような砲撃音。
火と鉄が飛び交う、かつて新幹線が走っていた廃線跡。
赤と銀の装甲に身を包んだ軍団が進軍している。
先頭に立つは、帝国の首魁――愛知。
愛知 : 東海はすでに我が制圧下にある。静岡の中立など、もはや茶番。通行権は力で得る。――開け。道を。
地が震える。
空が唸る。
そして、煙の向こうから“巨大な影”が立ち上がる。
深緑の羽織、背には大太刀。
その背後にそびえるのは――富士山そのもの。
だがそれはただの山ではない。
“動く富士”――静岡そのもの。
《不動富士》
自らと結界を融合させ、富士山を具現化。
巨大な神域を展開し、自然現象と地脈を完全支配。
火山雷・噴火・冷気・磁場異常・霊障などを自在に操る。
一度展開すれば、侵入者は全て“神域の判決”を受ける。
静岡 : これはただの山ではない。富士は、日本そのものの象徴だ。通りたければ――神を踏みにじれ。
●愛知軍
近代兵器による集中砲火&“装甲戦術”
列車型強襲兵器「名鉄獣」などを投入
地形そのものを操作とマグマを使った広範囲攻撃。
火山雷による電子撹乱 → 愛知の兵器を無力化
互いの大技が激突――
空間が割れ、富士が崩れ、都市が砕け、血と火と雷が交錯する中、両者ともに膝をつく。
愛知:「これが……“守る”ということか……」
静岡:「これが……“通さぬ”という意志だ……」
そして――同時に、互いに刀を振るう。
爆発と共に、地形が大きく抉れる。
残されたのは、焼け野原となった境界線。
富士は崩れ、静岡は倒れる。
だが――愛知もまた、片膝をついたまま動かない。
両県は沈黙。
東西の道は、一時的に閉ざされる。
勝者なき戦い。
だが――この時間が、“関東防衛”にとっての命綱となる。
富士は崩れた。
だが、心は折れていない。
静岡は、己が国の中心にて――“誰も通さない”という意思を、刻み付けた。
コメント
1件
愛知一旦止まるのだ!!(?)富士山ぶっ壊したら近くに住んでた藤沢が泣いちゃうぞ!?(はい?)