パールのあのお願いを聞いてから全然寝れなかった。もう時間は12時をすぎてる。パールもお母さんもみんな寝たよね…。私はその隙を狙って一人でリビングへと向かった。
「ピー
壊れかけのパソコンを開く。
そしてGoogleを開き、文字を入力する。
「友達 作り方 学校」
震える指でクリックした。
「友達…作ってやるんだから!!!」
「このは起きてー!」
パールのアラームで私は目を覚ます。
「学校でしょ、早く朝ごはん食べに行こー」
パールは完全に私の目覚ましとなってしまってる。
「うう…眠いよ…」
朝ごはんを目の前に私は寝そうになった。
「なんでよ、昨日は9時に寝たのに、どうしてそんな眠いのよ」
パールは口を尖らせて言った。
まあ、夜中パソコンのバグを生じながらも1.2時間かけて友達の作り方を検索した…。
殆どはパソコンのバグを治してたのに使ったけど笑
そりゃあ眠いわけ
「ううん~でも寝れなかったの〜」
私は適当なことを言ってご飯を食べる。
「ずっと布団の中で目を開けてたって事?」
「そう…だから目がギンギン(意味は別)」
まあ昨日真っ暗な中パソコンを見たから目はギンギンだけど。
「あら可哀想。今日はいっぱい汗かいて寝な」
パールはそう言った。
いつの間にか学校の投稿時間になってしまて急いで準備を進める。
「行ってきます!」
私は思い切りドアを開けて外へ出た。
昨日考えた作戦…できるかな、
同じ趣味を見つける、同じ委員会で用事を作る、思い切って遊ぶ約束をする…
にしてもさ!友達作るのに時間かかるじゃあん!
なるべく3日で呼んできてねーって言われてるんだからさ!普通は友達1人か2人はいるんだからスカウトしてはい完了。って気軽にできないのよー!私の場合はまず徹夜で調べて、朝は眠くて友達一人作るのに一ヶ月はいる。そんなの無理だって…
私がほわほわして道端でうずくまってしまった。正直恥ずかしい。でもどうしてかそうなっちゃう。
通る人々は高齢者が多いから若者とかに引いた目で見られないのは不幸中の幸いだろう。
すると、一人の少女が話しかけてきた。
「ん~?あ、同じクラスのこのはちゃんか!」
聞き覚えのある癖が強い高い声でハッとする。
この子は… 深野 冬雪(ふゆな)ちゃんじゃ…
「あっ、えっとね~これには訳があって~ 」
「どんなわけが?」
綺麗な水色の髪の両サイドをお団子で括ってる。よくみんなの前でお姉ちゃんにやって貰ってる!と自慢している。きれいなお姉さんだってことは何となくわかる。
「寝不足でさ!寝落ちしちゃった!」
「ふぅん、このはちゃんって昔から思ってたけど変な人だよね!」
へ、変な人…私がその言葉にぐさっとささる。
「ちょっと冬雪、今このはさんのことなんて言ったの」
後ろから聞き覚えのある落ち着いた声がした。
「ひひっ、みりん~これはそういう意味じゃないの!ノリノリノリ~」
そう、この子は優等生代表 佐藤 みりん 。
冬雪ちゃんと仲良しなんだ。
「このはさんは私じゃないの。このはさんと冬雪の間にそういうノリとか存在しないでしょ」
そういうノリが存在しないっというみりんちゃんの言葉がグサッとくる。
「このはさん、ごめんね 気にしなくていいからね じゃあ私たちは失礼するね」
みりんちゃんは冬雪ちゃんの手をグイグイ引っ張って学校に連れていった。
私はその姿にクスッと笑ってしまった。
笑っちゃダメ…もしかしてさっきの友達作るチャンスかもしれないのに…。
私はついその場所で止まってしまった。
「ちょちょっと!」
私は走って2人の元へ向かった。
「どうしたの?」
2人は口を揃えて振り向いた。
なにしてるんだろう、私。
衝動的に話しかけちゃった。
「友達になってください…」
つい口を滑らせて本音が出てしまった。
私は顔を真っ赤にした。恥を書いた。
このふたりの事だったらクスって笑ってくれさう…真面目に受け入れてくれるかな。
「あ…ごめん嘘!」
二人が返事をする前に私はそう言って2人の中を抜け出そうとした。
「ちょっと」
みりんちゃんは私の腕を引っ張った。
「全然恥ずかしくないわよ、それがこのはさんの本音なんでしょ?私にはわかるわよ」
みりんちゃんはニコッと笑って話してくれた。
すると、冬雪ちゃんも口を開いた。
「もうっこのはちゃん素直すぎるよ!率直に言ってくれて嬉しい。このはちゃんとみりんとでイツメン作るのもありだし…後先は変な人って言ってごめんね。変な人って言うのは個性的で仲良くしたくなる子っていう意味で言いたかったけど…私はこのはちゃんみたいに真っ直ぐな子じゃないからそんなこと言っちゃうんだ。誤解を産んでごめんね、」
私は2人の優しさに胸がキュンとなった。
「つ、つまり私と仲良くしてくれるってこと?」
私は心配で聞き返した。
「そうだって言ってるじゃん~」
冬雪は笑顔で言った。
「呼び捨てで呼んでいいし、私たちも呼び捨てで呼んで欲しい」
「わかった…みりんとふゆな!」
どこか新鮮で嬉しいけど心がざわつく。
こんな簡単に友達認定しちゃっていいのかな。
それだと、パールが言ってた深い友情とか熱い友情には入らないんじゃないかな。。。
でも、これからの大イベント 修学旅行 があるから平気だよね…。
「一緒に登校しよ~このは!」
呼び捨てで呼ばれるなんて嬉しくてたまらない。男子の心ない苗字呼びなんかよりこんな風な友達の呼び捨てはとても心が暖かくなる。
「今日修学旅行の班決めがあるんだよ~」
「え〜、絶対3人で組も」
私と2人はいつの間にか仲良くなってた。
新しい日常が始まりそうです。
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