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「2時間目は修学旅行の話し合いをしま〜す」
先生がパチッと手を叩きながらそう言った。
私の先生渡辺先生はThe 体育系の男性教師でめっちゃ短気で元気。でも、私たちのことは思ってくれて修学旅行や運動会といったイベントは力を入れてくれる今までの中で最高の教師なの。
先生のその合図でみんなはザワつく。
修学旅行の班決めは待ちに待ったものだからね。 しかも、今回は小学校生活最後っていうことで自由班。昨日までの私だったらこの時間は地獄だっただろう。でも今朝からは友達ができた。ムードメーカーの冬雪。優等生のみりん。このふたりがいることで穏やかな日々が送れそうなんだ。
「まず~活動班決め!女子は女子、男子は男子で 3人組に別れろ~」
その先生の言葉を聞くとみんなが動き出す。
このクラスはイツメンみたいなものが多いからすぐ決まっていく。それが昨日までの自分が苦痛だった。ぼっち仲間がいなかったからね。
「このは、冬雪一緒に組も?」
みりんの言葉で私たちは振り向く。
「うんうん!組も~」
「楽しみだね!」
みんなで盛り上がってると……
「ねぇ。」
そんな低い声が聞こえて私たちはゾクッとする。
「なんでこのっちは佐藤と深野と仲良くしてるの、無理やり入れないでくれる」
この子は確か… 月乃 結花ちゃん だったよな。
このっちって…私の事?
「な、なに??」
私は震えながらも聞いた。
「このっちは私と組みたいでしょ?」
結花ちゃんの無言の圧力に私たちは恐怖を覚える。するとみりんが声を出した。
「あのさ、このははちゃんと私たちとやりたいって思ってるのに、そんな事言わないでくれる?もう決まったことだから。ごめんね。」
いつもの優しい感じの裏に少し怖い言い方だった。
「ッッ!だとしても!私は一人取り残されたの!ねぇ!このっち、入るよね!?」
結花ちゃんの意味のわからない行動に流石の冬雪もドン引き。
「ねぇ、このはと月乃さんって仲良かったっけ?」
冬雪は私の耳元でそっと聞いた。
わたしは首を横に振るだけだった。
「…はあ、もういいわよ、でも部屋班は一緒にするからね ざまぁ。」
結花ちゃんはようやくあっちに行ってくれた。
なに…。おかしいよ、勝手にこのっちってあだ名つけられるし、結花ちゃん気が強くて怖いからあんまり好きじゃないんだよね…。
「このはと月乃さんってどういう関係なの?」
「どういう関係って…ほんとにクラスメイトくらいしか認識してない。話したこともないし…怖い。」
私はありのままの感情を吐き出した。
「だよね…このままじゃ私たちのことを…酷い扱いをする可能性が高いよ。。」
冬雪も震えていた。
「…もう気にしなくていいよ!せっかくの楽しい班決めが台無し台無し!」
みりんが空気を悪くなったのに気づいたのかそう言った。
「…だけど、部屋決めのとき来たらどうするのさ…」
冬雪が聞いてくれた。
「部屋は他の子がいるはず。だから平気。もし何かあったら逃げればいいから」
みりんの言葉は心強かった。
「そろそろ決まったっぽいので異性とペアを組ださーい。」
男子を探して見つける。…出来れば輝くんと一緒にいたい。
星野 輝 …。 私の好きな人。 一軍キラキラ男子。とにかくモテる。。 ぼっちな私には無縁のようだ。でも、今は違う。冬雪のコミュ力お化けで行けるかもしれない。。
「誰と組もうかな~やっぱり輝くんあたり狙っちゃう?」
冬雪はにこにこしながら2人に問う。
私はぜひともそうして欲しいけど…。
「あいつらめんどくさいからやめてよ」
みりんはため息をついた。
「でもあいつらの暴走は私たちがとめないとじゃん!他の奴らと組んだらきっとイチャつくでしょうね」
冬雪の言葉にグサッとくる。
輝くんがほかの女子と…。ううん。私みたいな消極的でなんも出来ない女子より、ほかのキラキラしてる女の子の方がお似合い。当たり前だ。
「私はあの人たちの保護者じゃないの…」
「…ああ、そうかみりんは長谷川さんの真面目キャラが好きだから一軍男子は興味なしか…」
「おだまり。」
そっか、みりんは長谷川さんが好きなんだ。
「そっちこそ!キラキラ一軍の高谷と一緒になりたいから輝くんあたり狙お~とか言うんでしょうが!」
「はぁ!?高谷なんて好きじゃないですぅ!」
2人は相当盛り上がってる。やっぱり私はここにいたらだめ??
「このははどうなの!誰が好きなの!」
「誰が好きって…え~!」
そんな恋バナに盛り上がってたらもう周りは続々とペアができてた。
「冬雪ちゃ~ん、急がないと大好きな大好きな高谷くんが取られちゃうわよ~」
みりんは少し冬雪のことを煽る。
「は、はぁ!?」
冬雪は高谷さんの姿を探して誰とも組んでないことを確認した。
「よ、よし!スカウトするぞ!」
「「頑張れ〜」 」
私とみりんは冬雪のスカウト姿を応援した。
…これが成功すれば輝くんと…ペアに!!
お得すぎる~
「ねぇ、みりん 輝くんと高谷さんともう1人は誰なの?」
みりんに聞いてみた。
「あ、あ…」
みりんは少々照れていたから、好きな長谷川さんなんだろうなって察せれた。
「スカウト完了です!」
と冬雪はいい、後ろに男子3人を連れ出した。
やっぱり、長谷川さんだった。
「最初は輝と俺とで俺らが暴走して大丈夫かな~って思ったけどはせっち入れたから安心だわ~あと佐藤も入れてくれるなんて安心安心」
高谷さんはきゃはきゃは笑いながらそう言った。
「俺は暴走しないけど」
と輝。
「いやある意味ある意味」
高谷さんと輝くんで盛り上がってると。。
「ちょっと!遊んでないで計画立てるのよ!」
とみりん。
「だってどこ行くか分からないも~ん」
高谷さんは口を尖らせてそう言った。
「んんんんんっ」
今にもみりんの怒りが爆発しそうだ。
そんな中長谷川さんが
「鎌倉ですよ、それくらいご存知ないのですか。お馬鹿ですね。」
長谷川さんは真面目で敬語を使うけど毒舌だっていうところに惹かれたんだろうな。
「鎌倉~?俺ら時代に行くのwタイムスリップか~ワクワク」
確かに高谷さん…みりんとは不釣り合いだな。
こんな不真面目、私もストレス溜まる。
でもきっといいところがあるんだろうな。
「鎌倉という地名をご存知ない?ちゃんと勉強してるのですか?」
長谷川さんはそんなふうに毒舌に煽る。
「知ってますゥ、冗談も通じないんですかぁはせっちは頭硬いな~」
高谷…。もう呼び捨てでいいかな。イライラする。
「ちょっと、長谷川さんもいちいち反応しなくていいでしょ?ほんとに行動が遅すぎる…みりんの言ってること納得だわ。」
私はつい口を滑らせて言ってしまった。
「金田がそこまで言うなら仕方ないな~、いつも金田無口だからな〜」
「ちょっと!このはのことバカにしないで!」
冬雪は好きな人のことでも許せない。私のことを思ってくれて嬉しい。
「次部屋決めだぞ~女2男2部屋だ。準備しろ~」
先生が合図をしてみんなが動き出す。
私たちはずっとそこにいた。
「本当に…結花ちゃん来るんじゃないかな」
私は心配になってきた。
「よし、ちょっとこのはか冬雪。どっちか頭痛い演技して。」
「じゃあ私やるよ…」
私は咄嗟に手を挙げた。
「冬雪は付き添い役して、結花の件はどうにかしとくから」
「ありがとう…」
みりんの優しさに涙が出る。
私たちは保健室に向かった。
私・みりんはふたりが教室に出たのを確認して結花が話しかけるのを待つ。
「あれぇ、このっちは?」
予想通り話しかけてきた。
「今このはと冬雪と喧嘩中。だから先生に呼び出し食らってる。私はAチーム行くから、多分このははBチームに行くと思うよ」
作戦成功…。
「じゃああたし!Bで!」
と言って戻ってた。
「そのあと、先生には…」
たまたま廊下に出てた先生に声をかける。
私は優等生の責任としてどんな風に決定したかを伝えなきゃ行けない。。
「私と冬雪とこのはは、Aチームで。結花さんはBチーム。です。」
そう伝えた。。なんとかこれで…。
「ただいま」
2人は戻ってきた。
「結花の件は片付いたよ
「結花の件は片付いたよ」
その言葉に救われたような気がした。
「本当に、本当にありがとう。」
やっぱり2人には感謝しかない。
あ…あれを言わなきゃ。
「中休み…屋上に来てくれる?」
私は聞いた。
「何!?告白!?」
冬雪はふざけで返す。
「2人に…お願いがあるの。」
私は二人の手を掴んで行った。