テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
次の日から、明らかにヒカリの態度が変わった。
手を繋いだり、腕を組んだり、顔を近づけて話してきたり。 しかも、私が他のバイト仲間と話していると、ヒカリは迷いなく割って入る。
「先輩は、あたしのですから」
笑顔ではない。
相手の子が一瞬言葉に詰まり、気まずそうに引いた。そのまま腕を掴まれて、ヒカリに人のいない場所へ連れて行かれた。
(これじゃまるで、本当に付き合ってるみたいじゃん)
疑念を晴らすため、ヒカリに近づいて尋ねようとした。
「ヒカリ、何今の――」
「付き合ってるんですよね」
遮るように言われて、私は言葉に詰まった。
「え?」
「だから、付き合ってるんですよね?なら、私とだけ話してほしいんです」
「え……?私とだけ……?って、あれは冗談だよ!」
ヒカリの言う付き合っているという言葉に含まれている意味が、私の知っているものと違う気がした。
「友達、だよね?」
確認のつもりで言った言葉に、ヒカリは一瞬だけ黙った。
「……そう思ってるなら、もうそれでいいです」
その日を境に、ヒカリは私に触れなくなった。
話しかける回数も減り、視線も合わない。元に戻った、わけではなかった。元よりも、遠い。
私は理由を考えなかった。
ただ、ヒカリがいない位置に、無意識に視線が行く。それだけだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!