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8 - 「放課後、銀髪の先輩に捕まる8」

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2026年02月03日

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葛葉視点


ローレンが泣き止んでから、

二人で駅前ぶらぶらした。


ゲーセン寄って、

クレープ買って、

どうでもいい話して。


(……全部、久しぶり)


ローレンが隣にいるだけで、

世界がちゃんと色づいて見える。


日が落ちて、空が暗くなってきた頃。

改札前で、自然と足が止まる。


「……もう帰る時間か」


「……はい」


ローレンは笑ってるけど、

声が少しだけ寂しそう。


「なぁ」


無意識に言ってた。


「もうちょい、歩かね?」


ローレンは一瞬驚いてから、

小さくうなずいた。


「……わかった」


駅から少し離れた道。

街灯の下、並んで歩く。


手が触れて、

今度は離さなかった。


「ローレン」


「はい」


「会えなかった間さ」


少しだけ、正直になる。


「俺も、結構きつかった」


ローレンが立ち止まる。


「先輩が……?」


「意外?」


「……うん」


苦笑する。


「俺さ」


視線を逸らしながら。


「努力嫌いだけど」


「知ってる」


「寂しさ我慢すんの、もっと嫌いだわ」


ローレンが、きゅっと手を握り返してきた。


(……ほんと、離したくねぇ)











ローレン視点


先輩が「きつかった」なんて言うの、

初めて聞いた。


それだけで、胸が熱くなる。


「先輩」


「ん?」


「俺だけじゃなかったんだね」


街灯の下で、

先輩が少し照れたように笑う。


「当たり前だろ」


「……そういうの」


小さく言う。


「もっと言ってほしい」


一瞬、間が空く。


「……欲張り」


「先輩にだけだよ」


そう言ったら、

先輩は何も言わずに、俺を引き寄せた。


ぎゅっと、強く。

でも、優しい。


「ローレン」


耳元で低く。


「離れてても」


「うん」


「俺の居場所、変わんねぇから」


胸に顔を埋めて、

深く息を吸う。


(……この匂い)


「……帰りたくないなぁ、」


正直に言う。


「でも、帰らなきゃ」


先輩は少し笑った。


「大人だな」


「先輩が教えたんだよ」


「そんな覚えねぇけど」


離れる瞬間、

ほんの一瞬、額が触れる。


「また、すぐ会う」


「……約束だよ」


「ああ」













帰宅後。

ほぼ同時に、通話が繋がる。


「……さっきぶり」


「さっきぶりだね」


画面越しの顔。

もう、恋しい。


「ローレン」


「はい」


「今日は……泣かせて悪かった」


「いやいや、」


少し笑って。


「泣けるくらい、幸せだっただけ」


沈黙。

でも、切らない。


「……好きだわ」


ぽつり。


「ほんとに」


ローレンは、静かに答えた。


「俺も」


「……明日も連絡する」


「毎日ですよね」


「当たり前」


通話が切れる直前。


「くっさん」


「ん?」


「次に会う時は」


少しだけ、強い声。


「俺、もう泣かないから」


葛葉は笑った。


「それはそれで寂しいわ」


画面が暗くなる。


——離れてても、

想いは、ちゃんと同じ方向を向いていた。








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