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昼休み。俺は逃げるように教室を出た。
向かった先は、いつもの屋上。
この学校、普段は屋上に鍵がかかってるんだけど、なぜか2年の初め頃に鍵が壊れたっぽくて、今は出入り自由だ。
俺にとっては、唯一の“安全地帯”。
だが――
「うおっ、マジでいた!やっぱ屋上だと思ったんだよな〜!」
……また、お前かよ。
「え、逃げたつもり?お前って、意外とわかりやすいタイプだな〜」
陽翔は笑いながら俺の横に座った。
「……なんで来たの」
「ん? お前がここでメシ食ってんの、気になってたから」
「それに……なんとなく、お前が一人でいるのがムカついた」
俺は無言のまま、おにぎりにかぶりついた。
陽翔は俺の顔をじーっと見て、いきなり言った。
「お前、あんま自分のこと好きじゃねーだろ?」
その一言が、胸に刺さった。
「……だったら、ほっとけよ」
「やだね」
ふざけてるみたいな口調だったけど、目だけは真剣だった。