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「じいじー!」と私は会いに行く度に走って行った。じいちゃんはハゲてて太ってて、幼い私的にはトトロのような感じだった。
私が白い壁にクレヨンで落書きしても怒鳴ることも優しく怒ることもなかった。
ただ。ただ。いつも「ダメだろ〜?」と言うくらいでペンキでそのクレヨンの跡を消していた。
幼稚園や小学校の運動会や、発表会にもちゃんと顔を出して、終わり次第お寿司を奢ってくれた。
だけど、1回だけ来てくれなかった。
それは確か2年生の運動会だったか。(2年生か3年生位の時だってことは覚えています。)私は、無知にも程がある年齢で、親はじいちゃんが病気だってことも教えてくれなかったのですから。
私はいつも応援に来てくれる、じいちゃんの笑顔が忘れられなくて、表現(民舞やダンスの発表)やリレーで1等を取ってじいちゃんを喜ばせたい。と思って頑張っていたけれど、その年だけじいちゃんが来ないから、
「なんかな。褒められても嬉しくないな。」
とか思いながら、その年の運動会を過ごして休日に私の踊っているところや走っているところを撮ったビデオをじいちゃんに見せた。するとじいちゃんは「頑張ったなぁ~」と言いながら頭を撫でてくれた。