テラーノベル
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「よし、今日もちゃんと、笑えてる」
えむは、鏡の前で笑顔を作っていた。だけど、しっくり来るような笑顔はできなかった。当然だ。今のえむは、自分が置かれた状況に絶望しているのだから。
「あの日からバレてない。きっと、きっと大丈夫。誰にもバレずに終わりを迎えられるはず」
えむは、学校に行く準備を進め、家を出た。今日もまた、フェニランに行ってみんなとの練習もある。だけど、えむ自身は気づいていなかった。
ー少しずつ、えむの笑顔ははっきり作り物とわかるようになり、動きもおぼつかなくなっていると言うことを。
「みんなー!おはよー!」
「あ、えむちゃん!おはよう!」
「咲希ちゃん!おはようワンダホーい!今日も頑張ろうね!」
そう言ってえむは咲希に笑顔を作った。でも、咲希もまた、気づいていた。その笑顔は偽物だと。
「そうだね!今日も頑張ろうね!えむちゃん」
でも、咲希がとったのは、何も言わない、という選択だった。何も言わない方が、えむにとっても楽だろうと考えたからだ。きっとえむは自分たちに迷惑をかけたくないって考えてるから隠してるんだって思ったから。
“私に出来ることは一つだけ。えむちゃんのそばにいるだけ。それしかできないけど、本当の笑顔を作れるように支えなきゃ!
でも、そう思うのは咲希ではなかった。同じクラスの志保もそう思っていたし、みのりも遥も。みんながそう思っていた。
えむはみんなのために隠しているけど、みんなもまた、えむのためにそっと触れないでいたのだ。この状態がえむにとって一番安心できる状況だと思ったから。
ーでも、えむを支えている全員が知らない。えむの命の灯火は少しずつ、少しずつ消えていっていて、えむとのお別れが近づいているということを。
#爆豪勝己
うんの
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