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ひとしずく 翔馬の場合

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ひとしずく 翔馬の場合

10 - 第10話 女の本性というもの

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2025年06月24日

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ミハルのLINEを無視したまま、【花開く】サイトで他の女とやり取りをする。

ミハルは俺からのLINEがなければ、きっとまたこのサイトを見にくるだろう。その時に見せつけるようにオープンコメントでやり取りをしておく。

おそらく、他の女とのやり取りを見ればそこそこ嫉妬するだろうし、そうすれば“会いたい”と言うだろう。




ある夜。



「あなた、お電話よ、沢口さんて女性の方から」


不意に香澄から呼ばれて、ハッとした。


「沢口?誰だ?」

「さぁ?親しい方ならスマホに連絡があると思うけど…」


名前に思い当たらない。


「もしもし?お電話かわりました」

『翔馬さん?』

「えっと、もうしわけありません、どちら様でしょう?」

『あの夜は素敵だったわ、忘れたとは言わせなくてよ』


___夜?パーティーの後のことか


そう言われても、複数人いる女のことなんておぼえちゃいない。それでも。


「もちろん、おぼえていますよ。で、今日はなにか?」

『ちょっとイタズラしただけよ、奥様の声を聞いてみたかったし。ね、何か言ってた?私のこと』


___なんだ、そんなことか


「妻はなんだか少し疑ってるようですね。でもバラしたりしないのでご安心を。あなたとのあんな素敵な夜を、妻の嫉妬なんかで汚されたくないので」


声をひそめて、相手が望んでいるだろう答えを差し出す。女は女に嫉妬するらしい。そして自分の方が扱いが上だと確認したい生き物だ。もっとも、妻の香澄はそんなこと少しも気にしていないのだけど、それをこの女に言ってしまったらプライドが傷つくだろう。


『そうよね。またお会いしましょうね』

「はい、あのできればスマホにご連絡してもらえるとありがたいです」

『そうね、奥様に邪魔されたくないものね、わかったわ』


そこで電話は切れた。

話は合わせたけれど、その電話の主が誰だったのか、さっぱり思い出せなかった。






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